パラオ旅行を計画する際、パラオの気候も踏まえてどの時期に行くのか、タイミングを考えるのも重要なポイントです。パラオには乾季(11月~4月頃)と雨季(5月~10月頃)の2つがあり、それぞれ天候の特徴があります。
パラオの雨季は、スコールの頻度が増えて湿度が高くなります。しかし、日本の梅雨と違って、雨の日が続く可能性は低いです。筆者がパラオに滞在した4日間も、スコールの降るタイミングはありましたが、晴れや曇りの時間の方が長かったように感じます。
たとえ雨が降ってしまっても、買い物をしたり、エピソンミュージアムやパラオ国立博物館などの室内型の観光スポットもあるので、退屈せずに過ごせるでしょう。
今回は雨季のパラオの特徴と、雨季でもパラオを最大限に満喫する方法をご紹介します。
※記事内1ドル=108円で記載しています。
パラオの雨季は5月〜10月頃
パラオの雨季は5月に始まり、7月にピークを迎えて、10月まで続きます。乾季に比べて雨季は、熱帯低気圧が起きやすく、強風により海が荒れやすくなるため、ときにはマリンアクティビティのツアーが中止になることも。しかし、ここ数年は気象変動により季節問わずスコールが降ることもあり、乾季と雨季の区別が曖昧になってきました。
年間の雨量を見ても、もっとも雨の多い7月が、もっとも雨の少ない2月の2倍ほどと、日本の梅雨時期ほどの差は感じられません。2、3月でおよそ200mm、7月でおよそ400mmです。
筆者は2019年の6月末、雨季真っ只中のパラオを訪問しましたが、1日中雨だった日はなく、日本の梅雨と比べると天気は良好で工夫や対策をすれば十分楽しめると感じました。また、ツアー料金は乾季よりも雨季の方が安く、お得に旅行するなら狙い目といえるでしょう。
雨季でもマリンアクティビティは楽しめる
今回筆者は、スペシャルロックアイランドツアーというロックアイランドとジェリーフィッシュレイクに行くツアーを予約しましたが、結論からいうと雨季でも満喫できました。
ツアーの序盤は曇っていて、途中雨に降られる場面もありましたが、雨が降ったからといって海の様子に大きな変化はありませんでした。
さらにガイドによると、ジェリーフィッシュレイクは天気が少し悪いくらいの方が、多くのクラゲに遭遇できるそうです。シュノーケルをしたときも、魚やサンゴもしっかり観察でき、水の濁りも気にならなかったので、雨季だからといって見えづらいこともないようです。
残念だった点を挙げるとすれば、雨が降ると船からの眺めがイマイチな点と、干潮時のみ海の中から現れるロングビーチを見ることができなかった点です。ロングビーチを見れない代わりに、ツアー内の別のスポットでの滞在時間が増え、別の楽しみ方ができたので、満足度は変わりませんでした。
雨季は観光客も少ないので、前日でもオプショナルツアーの予約が可能です。観光シーズンの乾季には、事前の予約が必須ですが、天気が悪くツアーに参加できないことも考えられます。
現地に着いて、天気予報を見ながらスケジュールを組めるのも雨季のメリットといえるでしょう。
マリンアクティビティ以外も楽しい!雨の日のパラオの楽しみ方
筆者の滞在中は雨季といえど、比較的天候が安定していました。しかし、何度か雨に降られることもあったので、そんなときは無理にマリンアクティビティに参加せず、博物館や珊瑚礁センターなど、室内型の観光スポット巡りなどがおすすめです。
写真のエピソンミュージアムは、9:00~17:00まで開館しています。1日の途中で雨が降った時もふらっと立ち寄れるので、代替プランを頭の中に入れておきましょう。
ベラウ・ナショナルミュージアム(パラオ国立博物館)
1955年設立のミクロネシア内でもっとも歴史のある博物館です。
館内のテーマは「パラオの歴史と文化」。日本やアメリカの統治の末、現在の共和国になるまでの流れなどが当時の資料をもとに学べます。展示品は3万点を超えるといわれており、パラオの歴史や文化を学ぶのに絶好の場といえるでしょう。
また、展示品は室内にあるため、雨が降っても楽しめます。駐車場から施設まで少し距離があるので傘を持っていくことおすすめします。
- 住所: P.O. Box 666, Koror, 96940 Republic of Palau
- 営業時間: 平日9:00〜17:00 土曜日10:00〜17:00 日曜日13:00〜17:00
- 入場料 :10USドル(約1,080円)
エピソンミュージアム
パラオ第3代大統領のギラケル・エピソン氏を記念してオープンした博物館です。
館内にはパラオで昔使われていた土器や石器の模型など、数々のコレクションが展示されています。2階にはお土産屋があり、貝やサメの歯を使ったアクセサリーや、木材にパラオの神話を彫刻した伝統工芸品のストーリーボードなども販売しています。
駐車場が入り口のすぐ目の前にあるので、スコールなどの強い雨の時でも濡れる心配がありません。
- 住所:コロール島のほぼ中央 メイン通り沿い
- 営業時間 :9:00〜17:00 日曜休日
- 入場料:10USドル(約1,080円)
パラオ国際珊瑚礁センター
日本の無償資金協力によって2001年に設立された研究所です。
主にサンゴや海洋生物を研究しており、日本人海洋生物学者も派遣されています。オウムガイやニシキヤッコなど、海では滅多に見ることのできない生物も展示しているので、フィッシュウォッチングをしに行くのもおすすめです。
雨で海に入れないときでも、南国の海の生き物を観察できます。駐車場から施設まで少し距離があるので傘を持っていくことをおすすめします
- 住所 : P.O. Box 7086, Koror, 96940 Republic of Palau
- 営業時間:平日8:00-17:00、土・日:9:00-17:00
- 入場料:10USドル(約1,080円)
WCTCショッピングセンター
コロールのダウンタウン付近には、パラオ最大のショッピングセンター「WCTCショッピングセンター」があります。
地元の人に親しまれているお店で、食料品や飲み物をはじめ、洋服や雑貨、家具や家電といった生活で必要な物がほとんど揃っています。また生活用品に加えて、Tシャツやストーリーボード、パラオ産のお茶類やチョコレートなども販売しているので、お土産選びにもぴったりなお店です。
WCTCショッピングセンターでショッピングすれば、あいにくの雨の天気でも時間を持て余すことなく楽しめるでしょう。きっと、パラオの記念となる物が見つかるはずです。
- 住所 : Main Street, Medalaii, Koror 96940 Republic of Palau
- 営業時間:7:00~22:00
- 支払い方法:米ドル、各種クレジットカード(日本円は使用不可)
パラオの雨季の服装・持ち物
パラオの雨季は、短時間のうちに急速に風が吹き荒れて、激しい雨が降る「スコール」が発生しやすいのが特徴的です。そんなパラオの雨季に旅行する際には、どんな服装や持ち物を準備するのがベストでしょうか。
そこで、下記にパラオの雨季に役立つアイテムを紹介します。これらを持ち歩いておけば、パラオの突発的な強い雨にも対応できるので安心です。
【雨季に役立つ服装・持ち物】
- 雨具(折り畳み傘やカッパなど)
- リュックやカバンに着用できるレインカバー
- 濡れた身体を拭くためのハンドタオル
- 撥水・防水性のある防寒具
- 替えのシャツ
さらに、もしスコールに見舞われて避難するのに、濡れた身体のままお店に入ってしまうと、店内の冷房が強いことから風邪をひいてしまうかもしれません。そのため替えのシャツを1枚持っておくと安心です。
このほかの雨季・乾季に問わずパラオ旅行に必要な服装や持ち物について、次の記事から紹介しています。ぜひパラオ旅行の事前準備の参考にしてください。
室内の観光地も活用してパラオの雨季を楽しもう
雨季のパラオは天気が本当に変わりやすいので、オプショナルツアーなどはあらかじめ予定を立てつつ、現地のツアー会社と事前に相談しておくのがおすすめです。ツアー会社がその日の天候を加味したうえで、コースや周る時間帯を調整してくれることがあります。
博物館に行く日やお土産選びの日程をあらかじめ決めてしまうと、その日が晴れた場合に「ツアーに行っておけばよかった」と、後悔する可能性も。室内でできることは、雨の日にもできるので、晴れた日に何をするかを優先して考えましょう。
雨季はツアー料金が安かったり、前日でも予約の空きが多いなどのメリットもあります。工夫や対策をすることでパラオの雨季を最大限に楽しみましょう。
(執筆・写真協力:片岡力也)