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ウーロン島の観光ガイド|現地の写真でみる人気名所やおすすめのツアー

ウーロン島の観光ガイド|現地の写真でみる人気名所やおすすめのツアー

パラオの世界遺産であり人気観光地・ロックアイランドの西部にある「ウーロン島」は、東インド会社の「アンテロープ号」が座礁した場所で、西洋世界にパラオが知られるきっかけとなった島です。

美しいシークレットビーチや古代パラオ人が書いた壁画、集落跡や見張り台跡などが楽しめ、無人島ですが観光客向けにトイレやテーブルも用意されています。

島の周囲にある「ウーロン・チャネル」や「シアス・トンネル」を潜ったダイバーたちの休憩所として活用されるウーロン島の魅力をご紹介します。
※記事内1ドル=108円で記載しています。

ダイバーの憩いの島・ウーロン島

ウーロン島とパラオの海

ウーロン(Oolong)島はミルキーウェイがあるウルクターブル島の西にあり、さらに西にはトンネル状の近いが楽しめる「シアス・トンネル」やドリフトダイビングで有名な「ウーロン・チャネル」があります。

ウーロン島の地質はカープ島やペリリュー島など、パラオにあるロックアイランドと呼ばれる島々と同様に、ウーロン島も珊瑚礁が隆起してできた石灰岩です。

ウーロン島の世界遺産登録を示す看板

ロックアイランドツアーでの休憩やランチでよく利用されるガルメアウス島やイノキアイランドと比べると旅行者が立ち寄る機会が比較的少ない島ですが、パラオの歴史上とても重要な役割を果たしています。

ウーロン島と西洋の歴史

船からウーロンビーチを眺める

ウーロン島内の遺跡

人類が初めてパラオにたどり着いたのは紀元前1000年頃と推測されています。パラオ人の祖先として考えられているインドネシアのマレー人やニューギニア島のメラネシア人やポリネシア人が残した遺跡や壁画がロックアイランド各地やバベルダオブ島に残されています。

ウーロン島の壁画

ウーロン島の壁画アップ

ウーロン島にも島の東西に赤い塗料で描かれた壁画があります。写真に写っているのは断崖絶壁に描かれた壁画で、3年ほど前まではロープを使って近くまで行くことができましたが、足場が崩れやすいため現在ではボートから見るのみとなったそうです。

ウーロン島の遺跡説明

パラオが西洋世界に知られたのは、1783年にヘンリー・ウィルソン率いる東インド会社のアンテロープ号がマカオからイギリスへの航海の途中に嵐に遭遇。漂流の末、ウーロン島沖で座礁したことがきっかけです。

ウィルソン船長や乗組員たちは酋長アイビドールによって救助され、3ヶ月かけて新しい船を建造してイギリスに帰国しました。イギリスと結びつきを得たアイビドールは大きく勢力を伸ばし、パラオにヨーロッパの文化や重火器が伝わり、多くの探検家がパラオを訪れることとなりました。

なお、部族同士による戦いの激化やヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘により島の人口は減少。1855年にスペインがカロリン諸島(パラオ諸島やヤップ島、ポンペイ島を含む)の領有を宣言してから1994年に独立するまで西洋諸国と日本の統治下でした。

ウーロン島に行ってきた!

ここからは、筆者がチャーターボートでウーロン島を訪れた様子をご紹介します。ウーロン島のほかにもイノキアイランドやガルメアウス島も上陸することができたので、併せてご紹介します。

コロール島のスピードボート

ウーロン島に向かうスピードボートは、コロール島かコロール島に隣接するマラカル島から出発します。ウーロン島までまっすぐ行けば30分ほどです。

今回ガイドしてくれたヒロシさん(写真左)とクインシー船長(同右)

今回は現地ガイドのヒロシさんと船長のクインシーとともにウーロン島を巡ります。ウーロン島という名前から、ウーロン茶と関係があるのかと聞いたら、とくになんの関係もないそうです。

ロックアイランド

ロックアイランドを進むボート

船はコロール島を出発してスカイブルーの海を進みます。時々、船長のクインシーが「見ろ!鳥がいるぞ!」と船を止めてくれましたが、視力1.5の筆者でもほとんど見えない……。それほど遠くにいる鳥を見つけるパラオ人、さすがです。

色が変わる海

正面にウーロン島が見えました。水深が浅くなってきているので、少しずつ海の色がブルーからグリーンに変わっています。

ウーロン島に近づいてきた

ウーロン島のシークレットビーチ

ウーロン島は西側に長いビーチがありますが、先に南側にある小さなシークレットビーチに上陸しました。ツアーの行程や潮の満ち引きの関係で、観光客が来ることはほとんどない場所だそうです。

ビーチに到着

錆びついたブイ

ビーチから小さな魚が泳ぐ姿も見える

ロックアイランドの海はとても透明度が高く、小魚が泳いでいる様子がはっきりと見えます。ビーチ沿いにはウミガメが産卵した穴もありました。

ビーチ側から島内への眺め

ノリノリのクインシー

ビーチから10mぐらい島の内側に進むと、そこから先はジャングルになっていて進めませんでした。

島からビートへの眺め

島側からビーチを見ると、このような光景です。波の音と遠くで鳴く鳥の声だけが聞こえます。

真剣なクインシー

岩壁にココナッツを叩きつける

素手で割ったことにしてくれ、とクインシー

ランチの予定はまだ先ですが、お腹が減ったクインシーがココナッツを食べ始めました。「休みの日はロブスター取ってるぜ!今度、秘密のポイントに連れていってやろうか?」と熱烈に誘われています。これが海で生きるパラオ人か。

ちなみに、パラオでは食用のほか、怪我や虫除けにもココナッツが使われていて、お土産としてもココナッツオイルが売られています。

シークレットビーチを出発

クインシーがココナッツを食べ終わったので、次は古代パラオ人の岩絵を見に行きます。

垂直な岩壁

赤い塗料の岩絵

垂直の岩壁が削れた洞窟の中に絵が描かれています。ウーロン島を含む「ロックアイランド群と南ラグーン」は複合遺産として、文化と自然の両面で世界遺産に登録されています。

文化遺産として登録されている理由の1つがこちらの岩絵で、ロックアイランド最古のものだと推測されている貴重なものです。

ウーロン島西側のビーチ

ビーチに到着

岩絵からウーロン島を回り込んで、西側のビーチに到着しました。ウーロン島に訪れるツアーは少なく、この日は我々だけのようです。

ゴミを拾うクインシー

到着するとすぐにクインシーが海岸のゴミ拾いを始めました。パラオの海はとても綺麗で、ゴミや漂流物を見ることはありませんでしたが、こういった努力があってこそだったのですね。

ウーロン島内の休憩所

BBQグリル

トイレ

ビーチから島内に入ると、休憩所とBBQグリル、トイレがあります。ウーロン島に限らず、ロックアイランドで観光客が訪れるイノキアイランドやガルメアウス島などにも同じ設備があります。

広いウーロン島

整備されたウーロン島内

石垣

入り口と思われる場所は石垣の切れ目がある

ウーロン島内はかなり広く、奥に入ると石垣が残されています。2000〜3000年前には石垣に守られる形で村があったと考えられています。

クインシー曰く「もっと上に見張り小屋があったとされている場所がある。見晴らしが抜群だから行こう!」とのこと。期待が高まります。

険しい道を登る

ロープは張ってあるものの、両手を使って登る場所もある急勾配を登ること20分。汗だくになりながら、見張り台跡へ向かいます。

頂上からの眺め

ようやくたどり着いた頂上! 確かに眺めは良いのですが、木々が茂っていてよく見えません。どうやら、クインシーの思い違いだった模様。

頂上は開けている

全然、見えない。とヒロシさんに詰められるクインシー。ただ、頂上は少しひらけた場所になっていて、見張り台があったのは正しいのかもしれません。

紐を結ぶクインシー

あっという間に木を登る

今度は「木に登っていいか?」と聞いてくるクインシー。落ちていた細いロープを結び、足にくくりつけたら、スルスルと登っていきます。

たくさんのビートルナッツ

うれしそうに取ってきたのはこちらの木の実。ビートルナッツと呼ばれる嗜好品で、パラオだけでなくパプアニューギニアやヤップでも取れるものです。パラオ人はこれが大好きだそう。

パンの実

ビートルナッツのほかにもパンの実(ブレッドフルーツ)と呼ばれる果物もたくさん落ちていました。焼いて食べるとパンのような食感で、とてもカロリーが高いのだとか。

ウーロン島に船が座礁し、パラオと西洋世界のきっかけを作ったヘンリー・ウィルソンたちもきっとパンの実を食べていたのでしょう。

アメリカ統治下であったことからパラオ人の多くは英語教育を受けていますので、ウーロン島を観光する際には日本人ガイドだけではなく、ぜひパラオ人にも尋ねてみてください。

ガイドブックだけでは知ることのできないパラオの一端を楽しむことができます。

ウーロン島を訪れる現地ツアーを紹介

ウーロン島に到着したボート

ウーロン島に訪れる方法は大きく分けて2つ。ロックアイランド方面を訪れるツアーに参加するか、自分でボートをチャーターします。ツアーは1人あたり110USドル(約11,880円)から140USドル程度(約15,120円)で、チャーターボートは1台あたり400USドル(約43,200円)から800USドルほど(約86,400円)です。

フィッシング&BBQツアー(ロックアイランドツアーカンパニー)

ロックアイランドツアーカンパニーが主催している「フィッシング&BBQツアー」であれば、BBQランチの場所としてウーロン島に上陸する場合があります。上陸する場合があるというのは、海況によってはウーロン島から別の島への上陸に変更されることもあるためです。気になる方は、ツアー会社に確認がとってみましょう。

ちなみに、パラオでのツアーは竿釣りではなく、手釣りがメインです。初心者でも手軽に釣れますし、魚が引っ張る感覚を直接感じることができて、とても楽しいですよ。

  • ツアー名:フィッシング&BBQツアー
  • 費用:大人 114USドル(約12,312円)、子ども(3歳〜11歳)80USドル(約8,640円)、2歳以下参加不可
    ※別途6歳以上からロックアイランド許可証1人 50USドル(約5,400円)が必要。現金のみの支払い可能
  • 所要時間:約7時間
  • Webサイト:https://palauritc.com/recommend/3022/

ウーロン島SUP&シュノーケルツアー(パラオオーシャンアカデミー)

確実にウーロン島に訪れるツアーに参加したい場合は、パラオオーシャンアカデミーが主催する「ウーロン島SUP&シュノーケルツアー」がおすすめです。

ウーロン島、ウーロンチャネル、グラスランド(ウーロン島近くのシュノーケルポイント)でSUP (スタンドアップパドル)やシュノーケルを存分に楽しむことができます。

  • ツアー名:ウーロン島SUP&シュノーケルツアー
  • 費用:大人 135USドル(約14,580円)、子ども 85USドル(約9,180円)
    ※別途6歳以上からロックアイランド許可証1人 50USドル(約5,400円)が必要。現金のみの支払い可能
  • 所要時間:7時間
  • Webサイト:https://stworld.jp/earth_info/PW/op_tour/ROR/RORROR1DAY/

ウーロン島ヴァージンアイランドSUPツアー(海外旅行のSTW)

ウーロン島でSUPやシュノーケリングを楽しみたい方は、干潮時に現れる砂州「ヴァージンアイランド」のツアーがおすすめです。

ウーロン島周辺にある海は透明度が抜群で、色とりどりの熱帯魚やサンゴ礁が一面に広がっています。その中でも、潮が引いたタイミングで上陸できるヴァージンアイランドは、真っ白なビーチと海の透明度がひときわ目立つ幻の島です。ツアーでは、そんな幻の島からの絶景を堪能しながらランチを楽しむこともできます。

SUP初体験の方はもちろん、シュノーケリングやダイビングをしたい方も楽しめる充実したツアーとなっています。

  • ツアー名:ウーロン島ヴァージンアイランドSUPツアー
  • 費用:大人 125USドル(約14,580円)
    ※別途6歳以上からロックアイランド許可証1人 50USドル(約5,400円)が必要。
    またジェリーフィッシュレイク許可証1人 100ドル(約10,800円)も。いずれも現金のみの支払い可能
  • 所要時間:6.5時間
  • Webサイト:https://stworld.jp/v1_op_tour/?cu=PW&id=59fed163dd48a2.70137981

ウーロン島パラオスポート号ファンダイビングツアー(パラオの観光・オプショナルツアー専門 VELTRA)

快適で豪華なクルーズ船ツアーを体験してみたい方は、「パラオスポート号ファンダイビングツアー」がおすすめです。

パラオスポート号とは、パラオが誇るダイビング専用のホテル型クルーズ船のことです。ツアーではこのパラオスポート号に乗りながら、パラオ国内のダイビングスポットを周ります。

ツアーで楽しめるスポットには、パラオで代表的な「ブルーホール」「ブルーコーナー」「ニュードロップオフ」「ジャーマンチャネル」と、ウーロン島にある「ウーロンチャネル」の計5箇所に訪れます。ウーロンチャネルではドリフトダイビングをしながら、たくさんのサンゴ礁が広がる美しい海の世界を満喫できます。

このように快適な船上生活をしながら朝から晩までダイビングを楽しめる、まさにダイバーにとって夢のようなツアーです。

  • ツアー名:パラオスポート号ファンダイビングツアー
  • 費用:大人子ども共通 1泊2日46,000円〜
    ※子どもは12歳以上、別途6歳以上からロックアイランド許可証1人 50USドル(約5,400円)が必要。現金のみの支払い可能
    ※別途ダイビングライセンス、器材の準備が必要(レンタル可能)
  • 所要時間:1泊2日から(朝7時にホテルにお迎え〜翌朝9時半に下船)
  • Webサイト:https://www.veltra.com/jp/beach_resort/palau/a/162304

パラオの歴史を学ぶウーロン島に訪れよう

鮮やかな海が広がるウーロン島へぜひ訪れてみよう

ロックアイランドツアーのランチや休憩場所として訪れることが高いガルメアウス島やイノキアイランドと比べると、ウーロン島への上陸は珍しい経験です。

パラオと西洋のはじまりの場所で、壁画や集落跡などを見物し、その後、パラオの中心地であるコロール島のエピソンミュージアムやパラオ国立博物館を訪れることで、よりパラオの歴史を身近に感じることができるでしょう。パラオの歴史を知ることで、きっと思い出深い旅行になりますよ。

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