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イノキアイランドの観光ガイド|アントニオ猪木オーナーの日本友好の島

イノキアイランドの観光ガイド|アントニオ猪木オーナーの日本友好の島

美しい海に島々が浮かぶパラオ。その中心であるロックアイランドには「イノキアイランド」と呼ばれる島があります。「イノキ」という名前は、元プロレスラーで現在は政治家や実業家として活動するアントニオ猪木さんが由来です。

日本から3,200km離れた太平洋の島国であるパラオに、なぜアントニオ猪木さんと関係のある島があるのでしょうか? 実際にイノキアイランドに訪れた筆者の体験談をもとに、イノキアイランドの魅力や観光の見どころをご紹介します。

アントニオ猪木さんがオーナーの「イノキアイランド」とは?

イノキアイランドの看板

パラオのロックアイランドの中央に位置する「イノキアイランド」は、北にミルキーウェイがあるウルクタープル島、南にジェリーフィッシュレイクがあるマカラカル島に挟まれた位置にある、長さ4キロメートル・幅700メートルの島です。

イノキアイランドという名前は通称で、パラオ語での正式な名前はNgchelobel島と表記されます。イノキアイランドの由来となったアントニオ猪木さんは島の名誉オーナーという肩書きで、実際には別の所有者がいるのですが、パラオの人々はみなイノキアイランドの名前を使い続けています。

イノキアイランドの正面にあるガルメアウス島

イノキアイランドの正面にはガルメアウス(Ngermeaus)島があり、両島ともロックアイランドツアーの昼食休憩の場所として利用されることが多い島です。

イノキアイランドのビーチ

サマーハウス

BBQ設備

トイレ

イノキアイランドの島内には小さなビーチがあり、反対のガルメアウス島までのエリアは「クラムシティ」と呼ばれ、1mを超す大きなシャコ貝が生息しています。

ビーチのそばにはサマーハウスやバーベキューコンロ、トイレが設置されていることがツアーやダイビングの休憩場所として利用される理由です。

イノキアイランド内部

イノキアイランド内側のビーチ

イノキアイランドのラグーン

島の奥は非常に遠浅のラグーンになっていて、深い部分でも大人の腰ぐらいです。周囲はジャングルに囲まれ、木々の切れ間を進んで行くと海に繋がっています。

ビーチからラグーンを歩いて回っても15分ほどあれば見て回れるほどの広さです。観光客やパラオの人々もあまり訪れない島ですが、ゴミなどは綺麗に掃除されていて、波の音と鳥の声だけが響く静かな場所です。

イノキアイランドとアントニオ猪木さんの関係

イノキアイランドと海

パラオは第一次世界大戦後から第二次世界大戦の終戦まで日本の統治下にあり、多くの日本人がパラオに住んでいました。その後、アメリカ統治となり、1981年にパラオは自治政府の「パラオ共和国」を発足、1994年に独立し国連にも加盟します。

アントニオ猪木さんとパラオの関わりは、自治政府が立ち上がる1980年頃から。パラオが旅行者に知られる前から家族やプロレス関係者を連れて熱心に訪問し、現地の人々との関わりを深めていきました。

イノキアイランド

そこで、アントニオ猪木さんが頻繁にパラオに訪れることを知ったパラオの地主が「差し上げられるものは何もないけれど、島だけはたくさんあるから」とパラオと日本の友好の証として無人島をプレゼントしました。ほどなくして島は「イノキアイランド」と名付けられ、今でも親しまれた島となっています。

その後もアントニオ猪木さんはパラオを訪れ続け、珊瑚礁の保護を進めるための基金を設立するなど精力的にパラオに貢献し、2013年2月にはトミー・レメンゲサウ大統領によってパラオの親善大使に任命されました。

アントニオ猪木さんは、大統領との間でパラオの自然保護について意見を交わす会談が行われるなど、もはや国賓並みの扱いをされているパラオのスターなのです。

イノキアイランドに行ってきた!

それでは、筆者がチャーターボートでイノキアイランドを訪れた様子をご紹介します。出発はパラオの中心地・コロール島から。イノキアイランドに行くまでに、途中ウーロン島にも上陸しました。

コロール島を出発する様子

ツアー途中で訪れるウーロン島

ウーロン島にあるシークレットビーチ

最短でイノキアイランドに直行することもできますが、イノキアイランドはロックアイランド群の中央部分なので他の島や観光スポットを巡るルートを組むと、ルートの中間あたりに組み込まれます。

ロックアイランドツアーの休憩場所となることが多いのも、イノキアイランド付近で昼頃の時間を迎えるからでしょう。ちなみに、パラオの現地ツアーはどれもしっかりとお昼休憩を取るスタイル。そのため、体力に自信のない方や小さなお子さん連れでも参加しやすくなっています。

ロックアイランドを進むボート

今回ガイドしてくれたヒロシさん(写真・左)とクインシー(同右)

コロール島からイノキアイランドまでは、寄り道しなければボートで30分ほどの距離です。海の青と島の緑のコントラストが美しいロックアイランドの中を駆け抜けます。

今回のガイドは、パラオで青年海外協力隊員として働いていた経験もあるヒロシさん(写真・左)と、船の操縦は陽気なパラオ人のクインシー(同右)です。

イノキアイランドの向かいにあるガルメアウス島

イノキアイランドの外縁部

操船の様子

ツアーボートが停泊するガルメアウス島が見えたら、反対側がイノキアイランドです。我々から見るとロックアイランドの島々は同じように見えますが、パラオ人たちは島の形と海の地形を記憶しているので、パラオの海でも迷うことなく操船ができるそうです。

イノキアイランドに近づいてきた

イノキアイランドに上陸!

ビーチとサマーハウス

イノキアイランドに停泊

無人島であるイノキアイランドには桟橋や港はないので、ツアーボートは直接ビーチに停泊します。イノキアイランドの周囲は浅瀬ですが、貴重品や電子機器を海に落とさないように注意が必要です。

イノキアイランドのビーチ

透明度が非常に高い

イノキアイランドのビーチは幅15メートルから20メートルほどです。パラオの海全般にいえることですが、非常に水の透明度が高いため、たくさんの小魚が群れになって泳いでいる様子が肉眼ではっきりと見えました。

イノキアイランドのベンチ

昼食を食べるガイドのヒロシさん

イノキアイランドのビーチに続いて建てられた屋根付きのベンチで昼食を取ります。パラオには雨季と乾季があり、ほとんど毎日スコールが降りますが、近年では気候変化によって雨季と乾季の境目が無くなってきているとのこと。

ロックアイランドツアー中もいきなり土砂降りになることがあるので、レインウェアなどがあると便利ですが、持っていなくてもツアー会社が準備してくれていることが多いです。

筆者もパラオ滞在中にさまざまなツアーに参加しましたが、日本人もパラオ人も非常に親切な人が多いです。旅行中に困ったことがあれば、気軽に相談してみましょう。

話は昼食に戻ります。ロックアイランドには食事を取れるレストランやカフェがないので、食事はお弁当です。ツアー料金に含まれていることが一般的ですが、日本人向けツアーの場合は写真の通り和風のお弁当を用意してくれます。

ちなみに、パラオには日本統治時代の影響でそのままパラオ語となった日本語があります。「ベントー」もその一つで、日本語と同じ意味で通じます。

和風のベントー

イノキアイランドの奥へ

豊かな植生

静かなラグーン

ラグーンは海に繋がっている

昼食を食べたら、イノキアイランド探検です。ビーチから島内につながる道は1つしかないので迷うことはありません。イノキアイランドの内部はジャングルに囲まれたラグーンがありました。

ごく一部が海と繋がっているだけなので、波はなく静寂が広がっています。ときどき鳥の声が聞こえるので、目を凝らして探してみますが、立派なジャングルに阻まれて見つかりませんでした。

イノキアイランドのジャングルにある窪地

陣地とみられる台地がある

せっかくイノキアイランドに訪れたので道無き道を進んでみると、不自然な窪地と台地を見つけました。ガイドのヒロシさんいわく「日本軍がパラオの諸島を守っていた時に構築した陣地かもしれない」とのことでした。

ラグーン側から見るイノキアイランド

こちらはラグーンへ続く道から見えるイノキアイランドの様子です。イノキアイランドは見どころがたくさんある島ではありませんが、ロックアイランドでのアクティビティやシュノーケリングの疲れを癒すにはぴったりの場所でした。

イノキアイランドに訪れる方法

ロックアイランドを進むボート

イノキアイランドに訪れる方法は大きく分けて2つ。ロックアイランド方面を訪れるツアーに参加するか、自分でボートをチャーターします。ツアーは1人あたり80USドルから120USドル程度で、チャーターボートは1台あたり400USドルから800USドルほどです。

ツアーでイノキアイランドを訪れる

ツアーの様子

ツアーで参加する場合、注意点が一つ。ロックアイランドツアーの場合、イノキアイランドに行くかどうかは他ツアーの当日の混み具合によって決まります。一般的にはイノキアイランドの隣にあるガルメアウス島に訪問することが多いため、事前にツアー会社に確認しましょう。

イノキアイランドに訪れるケースとしては、たとえばゴールデンウィークや年末年始などが挙げられます。繁忙期には多くのツアーが催行され、お昼休憩の場所あるガルメアウス島がツアーボートでいっぱいになるため、ガイドがイノキアイランドへの上陸を決めることがあります。

チャーターボートでイノキアイランドに訪れる

チャーターボート

確実にイノキアイランドに訪れたい場合はチャーターボートになります。一般的にチャーターボートの値段は目的地とシーズンで決まります。目的地によって燃料費が決まり、繁忙期はボートの数が不足するため、チャーターボートの値段が上昇するという仕組みです。

チャーターボートの費用は乗船する人数ではなくボート1台あたりの金額なので、家族やグループでボートを貸し切った場合、ツアーと同額やより安い金額になることもあります。

イノキアイランド周辺のシュノーケル・ダイビングスポット

日焼け防止のため服を着たままシュノーケリングする様子

ロックアイランドの中央部に位置するイノキアイランドは、周囲にあるシュノーケリングやダイビングスポットへのアクセスに恵まれています。

お昼休憩の場所として利用されることの多いイノキアイランドですが、お昼ごはんを食べたら周辺のシュノーケリングやダイビングを楽しんでみてはいかがでしょうか?

クラムシティ

クラムシティ

イノキアイランドとガルメアウス島の間にあるエリアはクラムシティと呼ばれ、推定100歳〜200歳、大きさ1メートルを超えるシャコ貝を見ることができます(クラムはシャコ貝のこと)。

クラムシティの水深は深いところで12メートルほどなので、ダイビングではなくシュノーケリングで楽しみます。

大きなシャコ貝

なお、コロール島マラカル島のレストランではシャコ貝のお刺身や肝を食べることができます。新鮮でコリコリとしたシャコ貝はとても美味しいので、パラオに訪れたらぜひご賞味ください。

ジャーマンチャネル

ジャーマンチャネル

イノキアイランドの南西にあるジャーマンチャネルは、ジャーマン(ドイツ)のチャネル(通路)という意味で、カープ島とガリムス島の間にある人工水路です。1899年から1914年までのドイツ植民地時代に航路を短縮するために作られました。

ジャーマンチャネルを泳ぐマンタ

ジャーマンチャネルはマンタに遭遇できる確率が高いダイビングポイントとして知られ、運がよければ何匹ものマンタが頭上を泳いでいく場面に出会えます。

ジャーマンチャネルで記念撮影

また、一直線に伸びるジャーマンチャネルをバックに写真を撮ると、とても綺麗な写真が撮れるので、ダイビング以外のロックアイアランド観光ツアーでも立ち寄ることがあります。

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ブルーコーナー

ブルーコーナーの水中

イノキアイランドから南西、ジャーマンチャネルの西側にある「ブルーコーナー」は600種類以上の魚が見られるダイビングポイントです。流れが速いためダイビング中上級者向けです。

ブルーコーナーはサメなどの大物から小さな熱帯魚まで、たくさんの生き物を同時に楽しむことができ、とてもダイナミックなダイビングを体験できます。

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アントニオ猪木さんへの感謝を伝えるイノキアイランド

パラオへの長年の貢献の感謝として島を与えられるアントニオ猪木さんもすごいですが、友好の証として島をプレゼントしたパラオの発想もとてもユニークです。これからも両国の架け橋としてイノキアイランドはパラオの美しい海に浮かんでいます。

ロックアイランドツアーやダイビングツアーの休憩場所として設備が整っているので、チャンスを見つけてイノキアイランドに訪れてみてはいかがでしょうか。写真を撮る方は、ぜひ猪木さんの代名詞である赤いタオルをお忘れなく。

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