親日家も多く、日本とも関係が深い南国の楽園・パラオですが、実際のところ「パラオの治安は大丈夫?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。初めてのパラオ旅行となると、渡航中の安全はしっかりと確認しておきたいところです。
ここでは、旅行前に知っておきたいパラオの治安事情について詳しくご紹介します。また、パラオ観光中に注意しておきたい8つのポイントについても解説しています。
日本とは異なるルールや文化を理解し、楽しく安全な旅にするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
※記事内1ドル=108円で計算しています
パラオの治安は良く、親日家も多い国
パラオは比較的安全な国といわれ、治安も良いとされています。日本との関わりも深く、これまでも多くの日本人が観光で訪れています。
海外旅行で心配されがちなタクシーのぼったくりも少なく、スリやひったくりといった犯罪件数も多くはありません。親日家も多いことから、多くのパラオ人が日本人に親切にしてくれます。女性のひとり旅でも安心して渡航できる国と言えるでしょう。
しかし、そうはいっても日本とは異なる環境ではあるため、日頃よりも少し注意を払った行動を心がけましょう。荷物を置いたまま離れない、貴重品を手放さない、特にパスポートは十分に注意するなど、当たり前のことに気をつけるだけでも、不要なトラブルは減らすことができます。
またパラオのレストランは21時〜22時に閉まる店が多くなっています。深夜まで営業しているお店は限られていますので、遅い時間帯には出歩かず、ホテルやホテル併設のバーで過ごすのがおすすめです。
外務省が発表するパラオの渡航情報
外務省では、「海外安全ホームページ」にて、海外諸国における治安の危険度レベルを公表しています。
パラオ政府による麻薬取締や警察のパトロール強化によって、過去4年間で凶悪犯罪や全体の犯罪件数は減少傾向にあります。
それでも、パラオへ旅行する際には、常に海外にいることを忘れてはいけません。外務省からも安全対策に関する情報が掲載されているので、旅行前に目をとおしておきましょう。
“1 パラオでは,近年泥酔者や薬物中毒者による暴行・傷害,強盗・殺人などの凶悪犯罪が発生しており,また,外国人を狙った家屋侵入,空き巣などの被害が頻発しています。
2 「備えあれば憂い無しです。」常に防犯対策を心がけ,事故や事件を未然に防ぐためにも「自分の身は自分で守る」の心構えが大切です。パラオを訪問される方は,常に外国にいることを意識して,(1)旅券(パスポート)は必要に応じてコピーを携行する。(2)人目を引くような服装は避ける(3)夜間は単独で人通りの少ないところに出歩かない。(4)野犬や放し飼いの犬が多いので,咬まれないよう気を付ける等,自己防衛の意識を持って行動することが必要です。
3 これまでに,パラオにおいてテロによる日本人の被害は確認されていませんが,近年,シリア,チュニジア,バングラデシュにおいて日本人が殺害されるテロ事件が発生しています。また,テロは,日本人が数多く渡航する欧米やアジアをはじめとする世界中で発生しており,特に,近年では単独犯によるテロや,一般市民が多く集まる公共交通機関等(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発していることから,こうしたテロの発生を予測したり未然に防ぐことが益々困難となっています。
このように,テロはどこでも起こり得ること及び日本人が標的となり得ることを十分に認識し,テロの被害に遭わないよう,海外安全ホームページや報道等により最新の治安情報の入手に努め,状況に応じて適切で十分な安全対策を講じるよう心がけてください。”
パラオの街中の観光で気をつけたい8つの治安・安全対策
比較的治安が良いとされるパラオですが、やはり日本とは異なる文化の国です。具体的に注意すべきことはどういった内容なのか、見ていきましょう。
1. 交通ルールを遵守する
パラオには公共のバスや電車はないため、タクシーやレンタカーなど自動車がおもな移動手段となります。
交通ルールとしては、まず日本とは逆の右側通行です。タクシー移動では気になりませんが、歩行者として道路を渡るときなどには日本と感覚が違うことに注意しましょう。
レンタカーを借りる場合は、30日以内の短期滞在であれば日本の運転免許証で運転できます。30日を超える場合はパラオの運転免許証に切り替えを行いましょう(参照:在パラオ日本国大使館)。
レンタカーがあれば、好きな場所を自由にまわったり、タクシーを呼ぶ手間を省いたりできるので、ツアーでは周れないルートも観光できるのでおすすめです。
しかし、運転する際には、日本とおなじく飲酒運転や交通事故に十分に注意してください。パラオでもここ数年は増加傾向にあり。とくに夜間は取り締まりも強化され検問が行われることもあります。飲酒運転は絶対にせず、交通ルールを厳守しましょう。
日本と異なる点としては、信号機がなく、 [DO NOT PASS]と書かれた道路標識が出ている箇所やコロール内では追い越し禁止となっています。
2. 夜の外出禁止令を守る(未成年者)
パラオの中心地・コロール州には、条例に基づいて外出禁止令が出されています。現在は成人の制限は解除されており、18歳未満の未成年者に限り22時から翌朝6時まで外出が禁止されています。21歳以上の同行者がいる場合は問題ありません。
とはいえ、夜間の外出はなるべく控えるようにしましょう。もし夜間に外出した未成年者がいた場合、現地の警察に補導される場合があるので注意が必要です。
パラオの夜道は日本に比べ街灯も少なく、昼間に比べると治安がよいとはいえません。トラブルを避けるためにも、暗い場所に近づいたり、不要な外出は避けるようにしましょう。
3. 水道水は飲まない
食事に関する注意点としては、パラオの水道水は飲めないため、必ずミネラルウォーターを頼むようにしましょう。
水道水は病原菌に汚染されている場合があり、お腹を壊したり、場合によって病気になる可能性もあるので、絶対に飲まないようにしましょう。
4. 飲酒は21歳から。屋外の飲酒は注意
パラオの法律は日本とは異なり、喫煙や飲酒は21歳からとされています。日本人でも20歳であれば喫煙・飲酒できないので注意してください。また、パラオには屋外で飲酒する習慣がありません。特別な許可のある施設を除き、屋外の公共スペースでの飲酒はできないようになっています。
もちろん飲食店内で飲むぶんには問題ありませんが、屋外で飲み歩いたりしないようにしてください。
5. スリや置き引きには要注意
安全な国、治安が良い国といっても、犯罪件数はゼロではありません。旅行客を狙ったスリや置き引きは多発しているため、十分に注意してください。たとえば財布を後ろポケットに入れたり、荷物を置いたままその場を離れる行為は絶対にしてはいけません。
また、多額の現金を持ち歩くことも避けましょう。当日に必要な分だけ財布に入れて持ち歩いたり、財布を複数用意したりすることも重要です。万が一盗まれてしまった際に、被害を最小限に留めましょう。
6. デング熱防止のため虫除けスプレーを塗布
年によってはデング熱が流行することがあるため、感染症への対策をおすすめします。デング熱は蚊を媒介して人に感染するため、できるかぎり肌の露出を少なくし、こまめに虫除けスプレーを体に塗布することを心がけましょう。
デング熱を媒介する蚊は、おもに日中に活動するため出掛ける際に対策を施してから出掛けるようにしましょう。室内では蚊帳や蚊取り線香を用意することで対策できます。
7. 野犬に近づかない
パラオでは野犬に注意が必要です。日常生活に溶け込んでいるほど、パラオでは多くの野犬を見かけます。もちろん、中心地のコロール市内も例外ではありません。
基本的には人間を襲ったり、積極的に寄ってきたりはしません。刺激をしなければ干渉してくることがない存在です。
しかし、ひとたび噛まれると狂犬病や感染症のリスクがあるため、見つけたらなるべく距離を取り、静かに通り過ぎるようにしましょう。食べ物を出して与えたり、可愛くても撫でてあげたりすることは、リスクを避けるためにも控えてください。
8. ワニやサメの出没情報に細心の注意を
パラオの一部の地域のダイビングやシュノーケリングスポットには、イリエワニとサメが生息しています。
もし、ダイビングやシュノーケリング中に遭遇したとしても、一旦落ち着いて静かに距離をとるなどして、状況に応じてガイドの指示に従うようにしてください。
ワニとサメの出没エリアや遭遇した時の詳しい対処法については、事前に現地でのツアー会社や地元の管理局に確認するようにしましょう。
パラオ観光を安全に楽しむためのルール・文化
ここからは、パラオ観光を楽しむ為のルールや文化を一部紹介します。
パラオは治安の良さは、現地の方や観光客によって成り立っています。ぜひ、パラオでの過ごし方の参考にしてみてください。
チップは基本的に払わらなくてOK
パラオにはチップの習慣がありません。しかし、大手のホテルでは荷物を運んでくれたときやお手伝いしてもらった際に、チップを払うのが半ば常識になっているところもあるようです。しかし、「チップ=気持ち」なので、ご自分で選択しても問題ありません。
気持ちの良いサービスを受けたら渡すことをおすすめします。
チップの相場は、何か1つサービスを受けたごとに1USドル(約108円)程です。例えば、荷物1個ごとに1USドル(約108円)が目安でしょう。
キャンプは許可を取ってから
パラオは、環境保全に力を入れているので、未許可のキャンプを禁止しています。綺麗な海辺や、ちょっとした広場でキャンプをしたいと思ったら、必ず許可を取りましょう。とはいえ、個人でキャンプの許可をとるのは厳しいため、ツアーに参加することをおすすめします。
ツアーの場合、ツアー会社がキャンプの許可をとってくれるので自分で手続きする必要はありません。ツアーによっては無人島に宿泊できたり、現地で獲れた魚でBBQをできたり、パラオの大自然を楽しむことができます。
STWORLDが開催する無人島キャンプツアーでは、自分で釣った魚を食べることができるのでサバイバル感を味わえますよ。
無人島キャンプツアーの詳細はこちら:STWORLD|パラオ旅行
タクシーはホテルの人に呼んでもらおう
タクシーはホテルや観光スポットのスタッフに読んでもらうのが安心です。パラオのタクシーは基本的に事前交渉が必要なので、信頼できるホテルや、観光スポットのスタッフに問い合わせてもらうことをおすすめします。
なお、パラオ国際空港にはタクシーがほとんどいないので、ホテルの送迎バスを利用しましょう。ホテルによっては送迎バスを用意していないところもあるので、予約の段階で確認しておくと安心です。
パラオ旅行ではレンタカーを使うことで、より移動が楽になります。パラオでは公共のバスなどがありません。日本の運転免許証も使えることから、レンタカーを使うこともおすすめします。以下の記事ではパラオおすすめのレンタカー会社や交通ルールをまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
治安のよいパラオでも最低限の注意を払おう
いかがだったでしょうか?
パラオでの8つの安全対策について再度まとめてお伝えします。
- 交通ルールを遵守する
- 夜の外出禁止令を守る(未成年者)
- 水道水は飲まない
- 飲酒は21歳から。屋外の飲酒は注意
- スリや置き引きには要注意
- デング熱防止のため虫除けスプレーを塗布
- 野犬に近づかない
- ワニやサメの出没情報に細心の注意を
パラオは外務省が出す危険度レベルも低く、比較的治安が良い国とされているとはいえ、あくまでも海外という環境で、安全な日本とは異なる点も多々あります。
近年は泥酔者や薬物中毒者による暴行・傷害、強盗・殺人といった凶悪犯罪が発生しているのも事実です。
旅行者が巻き込まれやすいスリや置き引きなどの軽犯罪をはじめとして、渡航中は十分に注意しましょう。特に気が緩みやすい開放的なビーチや海でも、荷物から目を離さず、危険を察知したら早めにその場所から離れるなどの行動を心がけてください。
気にしすぎて不安になったり、滞在中に怯えながら過ごす必要はありませんが、ぜひ最低限の安全対策を行って、せっかくの思い出を壊すトラブルがないパラオ旅行にしてください。
(執筆:蓮池ヒロ)
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