


世界遺産ロックアイランドの観光ガイド...

パラオの観光地といえば、珊瑚礁が隆起した緑のマッシュルームのような「ロックアイランド」ですが、陸の観光や政治の中心はパラオ最大の島である「バベルダオブ島」です。
熱帯雨林のジャングルの中にはパラオ最大の滝「ガラスマオの滝」や謎の古代遺跡「ストーンモノリス」があり、新首都の「マルキョク」には国会議事堂や裁判所などが建設されました。日本から飛行機で降り立つパラオ国際空港(正式名:ロマン・トゥメトゥール国際空港)が位置するのもバベルダオブ島です。
パラオの玄関口であるとともに、パラオの歴史を先史時代から現代へと紡いできたバベルダオブ島のことを知ることで、パラオの本質に迫ることができます。
※記事内1ドル=108円で計算しています
バベルダオブ(Babeldaob)島はパラオ国内で最大、かつパラオが属するミクロネシアの中でもグアム島に次ぐ二番目に大きな島です。面積は約400平方kmで、パラオの国土面積の約90%を占めています。
バベルダオブ島や、すぐ南に位置するコロール島、マラカル島、アラカベサン島は火山島で、石灰岩の隆起珊瑚礁であるロックアイランドとは地質が異なります。
バベルダオブ島の大部分はジャングルに覆われ、海岸部にはマングローブ林があるほか、パラオ最大の瀑布である「ガラスマオの滝」やパラオの最高峰である「ゲラレウース山」(標高242m)もバベルダオブ島にあります。
ちなみに、バベルダオブとはパラオ語で「上の海」を意味する言葉で、本来は島の北半分の名称を指していましたが、いつしか島全体をバベルダオブと呼ぶようになりました。別の異名として、パラオ本島と呼ばれることもありますが、これは第一次世界大戦後の日本統治時代に付けられた名前です。
現在のパラオの首都は、バベルダオブ島にある「マルキョク」。1994年のパラオ独立以前から、コロール島からバベルダオブ島へ首都を移転する計画が進められ、2006年にバベルダオブ島東岸にあるマルキョクに遷都しました。政治的中心となったマルキョクには国会議事堂や裁判所、大統領府などが置かれていますが、商業的な中心は現在もコロール島のままです。
首都移転と並行して、1999年からバベルダオブ島を周回するコンパクトロードの開発が進められ、2007年に全区間が開通。バベルダオブ島内の交通事情が劇的に改善しました。
国会議事堂の外観
台湾からの援助を示す
バベルダオブ島の東海岸に位置する国会議事堂は、アメリカ・ワシントンD.C.にある国会議事堂と似たデザイン。ローマ時代の様式を取り入れ、デモクラシー、民主主義、人々の自由をテーマにしたデザインで、1994年に独立した新しい国であるパラオが世界の仲間入りすることや自由・独立の意を発信することを意図しています。
国会議事堂の建設にあたっては外交関係のある台湾からの借款が建設費に充てられ、1998年から2001年までの3年間で建造されました。
国会議事堂の一階エントランス
国会議事堂は中に入ることができ、一階のエントランス部分にはスポーツの国際大会やオリンピックの記念写真や歴代大統領の写真が飾られています。
パラオの歴代大統領の写真
クニオ・ナカムラ / パラオ共和国 第5代大統領
マルキョクへの首都移転を精力的に推し進めたクニオ・ナカムラ第5代大統領の写真も飾られています。移転が実現したのは第6代大統領のトミー・レメンゲサウ大統領の就任時ですが、ナカムラ大統領就任時にマルキョクからの土地の提供やアメリカからの首都移転のための資金援助200万USドル(約2億円)が決定しました。
シドニー五輪時の聖火リレー
2000年のシドニーオリンピックの際は「オセアニアを結ぶ」という聖火リレーのコンセプトから、南太平洋の多くの島でリレーがされ、パラオでも自国で初めて聖火リレーが実現しました。
裁判所
国会議事堂の両側には裁判所と大統領府が併設され、行政・立法・司法の三権がマルキョクに揃っていることが分かります。パラオの法律は、日本統治時代の法制度と、第二次大戦後のアメリカ統治時代の法律にパラオの伝統的な慣習が混在した特殊な内容で、法廷ではパラオ語が使われます。
国会議事堂や裁判所を繋ぐ外廊下
裁判所の裏側からはジャングルと海が見える
パラオは環境保護に対して積極的に取り組んでいることで知られており、魚の乱獲を防ぐ海洋保護法や観光客の行動を規制するロックアイランド管理保護法、ガラスマオ保護法を制定し、観光と環境の両立に努めています。
パラオ国際空港の正面口
建物の屋根にはパラオ近海の生き物が描かれる
2003年に拡張工事に対する日本からの援助を示すプレート
バベルダオブ島のアイライ州にあるパラオ国際空港(正式名:ロマン・トゥメトゥール国際空港)は、1944年に日本海軍が建設した航空基地が前身です。1984年には旧ターミナルビルが完成しましたが、その後空港利用客が増加、2003年に日本からの無償援助によって現在の新ターミナルビルにリニューアルされました。
夜間や深夜に到着する韓国やグアムからの経由便だと見る機会が少ないですが、パラオの伝統的な集会場である「アバイ」の屋根と似た形状になっています。
主要な国際便としては、アシアナ航空や大韓航空による韓国・仁川への便や、ユナイテッド航空によるグアム、マニラ便のほか、チャイナエアラインによる台湾・台北便などがあります。国内便はパラオの航空会社であるベラウ・エアが、アンガウル島やペリリュー島行きを運航しています。
飛行機が離発着しない時間帯は人が少ない
向こう側に航空会社のカウンターがある
陽気な警察官
空港内にはツアー会社のカウンターやお土産店、ATMなどがありますが、飛行機の離発着がない時間帯はほとんど人はいません。深夜の時間帯は営業しているお店がほとんどなく、流しのタクシーを利用することもできないため、初めての旅行者がパラオ空港に到着すると戸惑ってしまいます。
新しい建物と滑走路の拡張工事
新ターミナルビルの隣には新しい建物を建設中で、レストランやツアー会社などが入る予定です。2020年までには、ラウンジ設備の拡張工事も予定しているため、パラオ空港の環境はさらによくなるでしょう。
下記の記事では、パラオ国際空港の設備の説明から深夜時間帯の過ごし方、空港からホテルまでの移動手段について詳しく紹介しています。ぜひ事前に確認して旅の準備に役立ててください。
ストーンモノリス
広大なバベルダオブ島にはさまざまな観光スポットがあります。
現地ツアーの目的地にもよく含まれて、とくに人気のあるスポットはパラオ最大の瀑布「ガラスマオの滝」と神秘の遺跡「ストーンモノリス」の2つ。さらに、パラオの文化と歴史を知るならアイライやマルキョクに現存する「アバイ」という伝統的な集会所を訪れることをおすすめします。
ここからは、筆者が実際に取材をし、ガイドから聞いた内容を元にバベルダオブ島の観光スポットをご紹介します。写真と併せて、ぜひバベルダオブ島観光の参考にしてみてください。
コロール島とバベルダオブ島を繋ぐKBブリッジ
日本からの支援を示すプレート
昔の橋は韓国が建設したことを示している
経済の中心であり、ホテルや商業施設が多数あるコロール島からバベルダオブ島に入るには「コロール・バベルダオブ橋(通称:KBブリッジ)」と呼ばれる橋を通過します。KBブリッジの別名は「日本・パラオ友好の橋」とされていて、日本からの政府開発援助 (ODA) によって橋が建設されたことに由来しています。
コロール島・バベルダオブ島の間には幅約250m・水深約30mの海峡があり、1977年に韓国の建設会社によって橋がかけられていましたが、1996年に橋が崩壊。2002年に旧橋と同じ位置に現在のKBブリッジが建設され、ふたたび両島が結ばれることとなりました。
KBブリッジの橋下は広場になっている
休日は家族連れで賑わう
KBブリッジの橋下は子供向けの遊具や休憩スペースがあるため、週末や休日はたくさんのローカルに住む人が集まって憩いの場となります。片側に歩道があるため徒歩でもKBブリッジを渡れますし、バベルダオブ島を自転車で周遊する観光客も見かけます。
ガラスマオの滝入口への看板
バベルダオブ島の観光を代表する「ガラスマオの滝」は、片道40分ほどのトレッキングの終着地に、まさに圧巻の景色が目の前に広がります。以前は途中までモノレール(往復30USドル:約3,240円)に乗ることもできましたが、2019年6月時点では故障中で、復旧は未定です。
入場料として10USドル(約1,080円)を支払ってトレッキングスタート!
ジャングルエリアのスタートガラスマオの滝へのトレッキングは4つのエリアに分かれています。ジャングル、赤土、川、そしてふたたびジャングルです。
歩道は整備され手すりもありますが、地面は土なのでぬかるんでいる部分もあります。運動に自信のない方は焦らずにゆっくり進みましょう。
左奥に小さく見えるガラスマオの滝20分ほど歩くと、赤土のエリアに。引き続き足を進め、写真の左奥に小さく見える滝の場所を目指します。
川の流れに沿って下流へ
赤土のエリアを抜けると、川の流れに沿って下流に進みます。足元は濡れていて滑るので、マリンシューズなどの踏ん張りが効く靴を履いていくと歩きやすいです。また、川の途中にはところどころ甌穴(おうけつ)と呼ばれる穴があり、飛び込んで楽しんでいる旅行者もいました。
ジャングルエリア
川から上がるとふたたびジャングルの中を進みます。ここまでくれば、もう少しで到着。滝に近づくと水が流れる音が聞こえます。そして・・・!
ガラスマオの滝に到着!
ガラスマオの滝に到着しました! 滝壺の水深は深い部分でも腰ぐらいなので、歩いて滝の裏側まで進むことができます。天気や太陽の光に恵まれれば虹が出ることも。帰りはふたたび40分の道のりなので、暗くなる前に帰路につきましょう。
滝の裏に行けます
虹とガラスマオの滝
ガラスマオの滝は、パラオの人々が「神様」のように敬意を抱く偉大な存在です。ホテルが集まるコロール島やマラカル島からは、車で約1時間程度かかりますが、バベルダオブ島に訪れたからには是非行っておきたいスポットです。
後ほどご紹介する「ガラスマオの滝&ストーンモノリスツアー(ロック・アイランド・ツアー・カンパニー)」や「半日ガラツマオの滝トレッキングツアー(インパックツアーズ)」といったツアーではスタッフがホテルまでの送迎や現地の案内をしてくれます。
バベルダオブ島の北部、アルコロン州にあるストーンモノリスと呼ばれる謎の遺跡があります。複数の巨大な石柱が地面に埋まるようにして建てられている遺跡ですが、文献や資料がなく、誰が何のために建てたのか未だ解明されていません。
ストーンモノリスの管理センター
ストーンモノリスへの看板
ストーンモノリスを訪れるためには、まず坂の下にある管理センターで入場料5USドル(約540円)を支払ってから、看板に沿って丘の上に向かいます。
見晴らしの良い丘の上からストーンモノリスへの道を下る
ストーンモノリスへの階段
階段を下っていく
丘の上にある駐車場に車を止めたら、遠くに見える美しいパラオの海を見ながら階段を降ります。
芝生の上に建つストーンモノリス
駐車場から歩いて7,8分ほどでストーンモノリスに到着しました。建物の基礎や石碑のようにも見えますが、当時の文献が残っていないため、だれがなんのために建てたのかはいまだに分かっていません。
点在するストーンモノリス
ストーンモノリスは1ヶ所ではなく規則性があるように点在しています。一説によると、死者を送るための場所だったのではと考えられていますが、パラオは文章ではなく物語や絵で情報を伝える文化なので特定は困難です。
ストーンフェイス
こちらの写真はストーンモノリスの中でも、ストーンフェイスと呼ばれる顔の形をした石です。ストーンフェイスをはじめとしてストーンモノリスに使われている玄武岩はパラオでは産出されないため、だれがどうやってここまで運んだのか、なんのために作られたのか、ますます謎が深まっています。
アイライ州にあるアバイ
屋根には物語が描かれている
アバイ(Bai)とはパラオの伝統的建築物で「バイ」ともいわれます。屋根が二等辺三角形の茅葺き屋根となっていて、側面にはアバイごとにパラオの伝わる物語が描かれています。アイライ州にあるアバイはパラオに現存する最古のアバイで、1890年頃に建てられました。
パラオに多数あったアバイも1900年以降に消失し、残っているのはマルキョク、アイメリーク、アイライ、コロールにある4つのみです。ちなみにコロール島にあるベラウ国立博物館の敷地には、観光客向けのアバイがあります。
アバイの入口にあるコウモリは魔除けの意味
入口は酋長への敬意を示すため、頭を下げないと入れない高さ
アバイの用途は酋長や身分の高い男性たちが集まり会議や裁判を行なっていたそうですが、入口には魔除けの意味があるコウモリや鶏が描かれ、酋長への敬意を示すために頭を下げないと入れない高さに設計されています。
アイライ アバイの内部
議論が終わるまでアバイで過ごす
アバイの内部は板張りになっていて、酋長はメッセンジャーを経由して話をするため議論に長い時間がかかったといわれています。
会議の内容や決議の情報漏洩を防ぐために、会議が終わるまでは参加者はアバイの中に泊まり込み、トイレや食事もアバイの中で済ませました。
マルキョク州にあるアバイ
アバイはパラオの伝統的な集会所で、議論や裁判に使われていました。マルキョク州に現存するアバイは場所がわかりづらく、地面もぬかるんでいるので訪れるには注意が必要です。
アバイの多くは女人禁制ですが、マルキョク アバイは側面の壁画に女性が描かれ、位の高い男性と女性との夜這いの場所としても使われていたのではないかと推察されています。
入口の左右に描かれる鶏は魔除け
マルキョク州のアバイもアイライ州と同様に入口にコウモリの絵
マルキョク アバイの内部
入口の左右や上部には魔除けを意味する鶏やコウモリが描かれており、内部は板張り。アバイでの議論が終了するまでは外に出ることはできなかったので、就寝の際は中央部にある木の突起を枕に寝ました。
アバイの側にあるお墓
マルキョク アバイの側にはお墓があり、酋長やその家族などの高位な人たちの墓ではないかと考えられています。
破壊された灯台跡
日本は第一次世界大戦後から第二次大戦の終戦までの約25年間パラオを統治していたため、バベルダオブ島には日本のさまざまな戦跡が残っています。
紹介するいずれの戦跡も大部分が破壊されていますが、観光客用の歩道や手すりなどが整備されており大きな危険もなく訪れることができます。
灯台跡への看板
右側の青い建物がチケットオフィス
灯台跡への入場料
バベルダオブ島の北部には、日本海軍が監視のために建設した灯台跡があります。看板にもあるように、パラオ語でも「TODAI」と日本語と同じ表現です。
入場料は、観光客の場合1人5USドル(約540円)で、新設された青いチケットオフィスにて支払います。
灯台へ向かう階段
少し傾斜がありますが、石造りの階段はしっかりしている
灯台への爆撃の跡
灯台跡に向かうにはチケットオフィスをすぎてから緩やかな坂と階段を登ります。階段の側にあるコンクリートの建物には無数の弾痕や爆撃の跡があり、戦いの激しさを感じさせます。
新しく作られた展望台
灯台の基礎部分
階段を登り切ると、破壊された灯台の基礎部分があります。当時の様子を想像するしかありませんが、残された大きさから部分から考えると10m〜15mほどの灯台だったのではないかと思われます。
パラオの海が一望できる
灯台のそばには小さな展望台があり、バベルダオブ島から北側を見下ろすことができます。エメラルドグリーンの海に浮かぶ島は通称ブタ島と呼ばれる島です。
爆弾の投下跡
投下跡は柵で囲まれている
新しく建てられた解説用の看板
灯台跡の入り口側から反対に階段を降りると、海軍の基地跡が残されています。いくつかある穴はアメリカ軍が投下した爆弾で地面がえぐられて作られました。ガラロン州によって、第二次大戦当時を伝える戦跡として保護と管理がされています。
海軍将校の住居跡
住居跡についての説明
日本海軍の将校が住んでいた住居や病院の基礎なども残されています。パラオの海を楽しめる絶景ポイントとしてだけではなく、パラオと日本の歴史を垣間見ることができる場所です。
旧日本海軍通信基地跡の入り口付近
係員
入場チケット
バベルダオブ島のアイライ州には日本海軍の通信基地跡(英語名:Japanese Communication Center)、または海軍省と呼ばれる戦跡があります。
入り口のすぐそばにあるチケットオフィスで係員に入場料10USドル(約1,040円)を支払います。ガイドによると4〜5年前は入場料が25USドル(約2,700円)だったそうなので、いまで半額以下になっています。
特二式内火艇
特二式内火艇の内部
空高く向けられた高射砲
高射砲
機銃
高射砲の弾丸
入ってすぐそばに鎮座している水陸両用の特二式内火艇や建物の周囲を囲んでいる高射砲は、周囲に残されていたものを集めてきて展示しているので、戦争当時は通信基地跡にはなかったそうです。
海軍通信局跡の内部
鉄骨が残る建物
破壊し尽くされてた廃墟の中に入ることができますが、内部は部屋割りすら分からない状態。鉄骨の構造から考えると二階建てで、かなり大きな人数が働いていた建物だったのではないかと思われます。
戦死者の慰霊
建てられた卒塔婆
空襲による爆撃で屋根と二階部分が破壊された場所には、戦死者を弔う花が備えられ、卒塔婆(そとば)が建てられていました。卒塔婆の記載によると滋賀県出身の方が多く従軍していたようです。
現在も利用されている建物
二階部分から撮影
アバイの屋根が作られていた
奥にある建物は弾痕や爆撃跡があるまま今でも倉庫として使われていました。建物には自動車や重機が運び入れられ、二階部分ではパラオの伝統的な集会所であるアバイの屋根部分が作られて、ほぼ完成した状態でした。
パイナップル工場跡
パイナップル缶を作る機械が打ち捨てられている
道のすぐそばにある
日本統治時代の産業の1つであったパイナップル工場の跡地がバベルダオブ島のアルモノグイ州にあります。アメリカ軍との戦争やその後の統治によって工場が破壊された跡、産業としての復興はされませんでした。
写真をご覧いただければ分かるように、道路のすぐそばの窪んだ場所がパイナップル工場があった場所で、今でも鉄製の機械が残されています。
左側にある銘には「NIIGATA IRON WORKS」と書かれている
残された瓶には「NIPPON BEER」
廃棄用の鉄箱
風化しない瓶や鉄板に刻まれた銘によって、日本の統治時代が偲ばれます。
パイナップル缶を作る機械と思われる
こちらはパイナップルを入れるための缶を作る機械だと思われます。穴の上に鉄板を置いて、上から圧力をかけることで缶の形状を作ります。
ボイラー
バベルダオブ島で買ったパイナップルを乗せてみた
パイナップル缶を作る金属を溶かすためのボイラーは、レンガ作りの当時の形状を残しています。バベルダオブ島では今でもパイナップルが作られていて、スーパーマーケットなどで買うことができます。
「オケミ デリ」の外観
オケミ デリの看板
バベルダオブ島にはコロール島ほどレストランやカフェがありませんが、マルキョクにある「オケミ デリ(OKEMii DELi)」はメニューが豊富で眺めも良いため旅行者に人気です。マルキョクの国会議事堂から車で5分ほどのビーチ沿いにあります。
テラス席
すぐ側に海がみえる
清潔感のある店内
店内にも席はありますが、おすすめはビーチ側のテラス席です。筆者が訪れたときも地元の方が食事をしており、ガイドによるとマルキョクの酋長とその家族でした。
オケミ デリの軽食メニュー
オケミ デリのメインメニュー
写真のように旅行者向けの英語メニューも用意されています。店員さんは英語が通じるので、どんな料理か分からない場合は質問することができます。オケミ デリに限りませんが、パラオのレストランは調理がゆっくりなので、15分から20分ほど待つことになります。
地魚のソテー
照り焼きスペシャル
オケミ デリの料理
注文したのはパラオの地魚のソテー(Grilled Fish)と照り焼きスペシャル(Teriyaki Special)です。しっかりとした味付けでご飯もセットなので、男性でもお腹いっぱいに。なお、ツアーの行程などで急ぐ場合はお店に電話することであらかじめ料理の予約もできます。
M&Aビーチバンガローの立て看板
M&Aビーチバンガローのコテージ
喧騒から離れて、バベルダオブ島でゆっくりとパラオに滞在したいという旅行者には「M&Aビーチバンガロー」がおすすめです。バベルダオブ島の北部に位置する隠れ家的ホテルで、ビーチまで徒歩1分のロケーションです。
ココナッツ落下注意の看板
M&Aビーチバンガローのビーチ
M&Aビーチバンガローのビーチ
落ちてくるココナッツに注意しながらビーチに向かって歩くと、遠浅のビーチが現れます。潮が高くなる午前中はカヤックやシュノーケリングができるほどで、午後になるとふくらはぎからひざまでの水深になります。
BBQグリル
ビーチにはBBQ用のグリルが設置されているので、海を眺めながらBBQを楽しむことができます。ビーチのすぐそばまで森なので、日陰があるのも安心です。
M&Aビーチバンガローの通路
M&Aビーチバンガローのコテージ
写真のようにバンガローは一軒ずつ区切られていますので、カップルや家族連れなどで静かな休暇を過ごしたい方に好まれています。
M&Aビーチバンガローのメニュー
M&Aビーチバンガローの宿泊者でなくても、ビーチへのウォークイン(日帰り利用)が可能です。
宿泊料金は2人用のバンガローが1部屋195USドル(約21,060円)、より広いデラックスバンガロー(2人用)が1部屋249USドル(約26,892円)、家族向け・5人用のファミリーバンガローが1部屋303USドル(約32,724円)です。
日帰り利用の場合は、大人(4歳以上)が10USドル(約1,080円)、子供(3歳以下)が5USドル(約540円)で、BBQグリルの利用は25USドル(約2,700円)です。
バベルダオブ島を代表するガラスマオの滝
ジャングルが広がる自然豊かなバベルダオブ島の現地ツアーは、「ガラスマオの滝」へのトレッキングがメインとなることがほとんどです。次いで有名な遺跡「ストーンモノリス」を訪れるのか、それとも灯台跡や海軍省跡などの日本軍の戦跡や、アイライ州やマルキョク州にある「アバイ(パラオの伝統的な集会場)」を訪れるかで、選ぶツアーが変わります。
人気のツアーをチェックしてみましょう。
ロック・アイランド・ツアー・カンパニーが催行する「ガラスマオの滝&ストーンモノリスツアー」は、バベルダオブ島の人気観光スポットであるガラスマオの滝へのトレッキングとストーンモノリスに訪問できるツアーです。
所要時間が7時間と余裕がある行程なので、体力に自信がない方でもゆっくりとトレッキングに挑戦できます。
なお、ガラスマオの滝へのトレッキングは大人で片道40分ほどで、清流の中やぬかるみを通る部分があるため、水着を着用の上、アウトドア用のサンダルがあると便利です。
Fish ‘n Finsが催行する「バベルダオブ島自由探索ツアー」では、ツアーガイドと相談した上でバベルダオブ島の観光ルートを自由に決定できます。1人参加の場合は150USドル(約16,200円)となりますが、車をチャーターした場合の相場は200USドル〜(約21,600円〜)なので、複数人で参加すれば割安です。
ツアーも毎日催行されているのでスケジュールに組み込みやすいツアーですが、パラオ人ガイドのため、英語が苦手な方は注意が必要です。
バベルダオブ島には、パラオ国際空港がありますので、空港を降りてすぐに観光することができます。
しかし、ホテルやレストランといったリゾート施設は、バベルダオブ島からで「KB ブリッジ」で繋がるコロール島やマラカル島に位置します。そのためパラオ旅行の拠点は、コロール島もしくはマラカル島に置くことがほとんどです。
コロール島またマラカル島から、バベルダオブ島の観光地までにかかる時間は以下の通りです。
パラオには電車がないので、移動は基本的にタクシー・シャトルバス・送迎バス・レンタカーが基本です。流しのタクシーはほとんどないので、ホテルやレストランで手配をする必要があります。
レンタカーは、日本の普通自動車免許があれば借りることができます(30日以内の短期滞在のみ)。時間を気にせず自分のタイミングで観光できるのでおすすめですが、日本とは異なり右側通行であることや幹線道路を外れると舗装されていない場所もありますので、運転には十分気をつけてください。
なお、パラオ国際空港のカウンターには、4つのレンタカー会社のカウンターがあります。繁盛期は当日のレンタカー予約ができない場合がありますので、事前にWebサイトより予約をしておくと良いでしょう。
レンタカーの詳しい手配方法や現地の交通ルールに関しては、別の記事で紹介しています。レンタカーでバベルダオブ島を周りたい方は、チェックしてみてください。
コロール島(手前)とバベルダオブ島(奥)
バベルダオブ島では古代遺跡「ストーンモノリス」やパラオ最大の滝「ガラスマオの滝」などに観光客が訪れる一方で、新首都の建設やパラオ唯一の空港の改修などこれからのパラオを作る開発も進んでいます。
移りゆくパラオの過去と未来を学ぶために、大自然あふれるバベルダオブ島を旅行してみてはいかがでしょうか。
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