真っ青な海に囲まれた南国の国パラオ。500以上の島々が連なるパラオには、日本人にとても所縁のある「カープ島」という島があります。
豊かな森林に覆われたカープ島は、周囲に有名なダイビングポイントが数多くあるため、多くのダイバーたちに愛されている島です。ロックアイランドで唯一の宿泊施設があり、「時計のない島」と呼ばれるカープ島で、コロール島やマラカル島とは一味違う体験をしてみませんか。
※記事内1ドル=108円で記載しています
パラオのプライベートアイランド・カープ島とは?
パラオのペリリュー州にあるカープ島はパラオの経済的中心であるコロール島の南西、太平洋戦争の激戦地として知られるペリリュー島の北東にあります。パラオの人気ダイビングスポットである、ブルーコーナーやブルーホール、ジャーマンチャネルに近いため、ダイバーの拠点として人気です。
ロックアイランドで唯一の宿泊施設である「カープ・アイランド・リゾート」の他に、船着場やシャワー、トイレ、バーベキュー設備があり、カープ・アイランド・リゾートの奥にあるジャングルを進むとストーンマネー(石貨 / せきか)があります。
カープ島の名前の由来
カープ島という名前は通称で、パラオでの正式な名前はNgercheu(ゲレエウ)島、またはNgeroi(ゲロイ)島です。名付け親は、カープ島を所有し島内にある唯一の宿泊施設である「カープ・アイランド・リゾート」を経営する岸川夫妻のお二人ですが、カープ島命名の経緯がとてもユニークです。
大の野球ファンであった岸川夫妻は、島の名前を付ける際に優勝した野球の球団名を島の愛称にしようと賭けをします。パラオのさまざまなダイビングスポットを見つけた旦那の岸川至(いたる)さんは巨人ファン、奥様の浩子さんが広島ファンでした。
その年の優勝球団は「広島東洋カープ」で、浩子さんの大勝利! それでも諦めきれない至さんがじゃんけんでの再戦を申し込むも、やはり浩子さんが勝利し、それ以来カープ島と呼ばれることになります。その名が浸透したいまでは、正式な名前が使われることはほとんどありません。
なお、岸川夫妻はカープ島にある「カープ・アイランド・リゾート」以外にもマラカル島で「カープ・シーフードレストラン」を経営しており、いまでも浩子さんが厨房に立っています。
カープ島だけなく、カープ・シーフードレストランにも広島カープゆかりの品がたくさん飾られています。
カープ島の観光スポットやアクティビティ
カープ島は総面積1平方キロメートルほどの小さな島で、島内にあるおもな観光スポットも島北部にあるストーンマネーぐらいです。どちらかというと島周辺にダイビングスポットが点在し、カープ島を訪れる観光客は「ブルーコーナー」や「ブルーホール」などといった有名なスポットを楽しみます。
ストーンマネー
ストーンマネーには、中心地から片道30分ほどの道のりを進みます。ただし、ストーンマネーで行き止まりとなる道ですので、散策に行く際は誰かに伝えてからにしましょう。
ストーンマネーまで随所に看板がありますが、ジャングルの中を進むため日が高いうちに行くのが懸命です。
ストーンマネーまでの道のりでは、枯れたマングローブの林や貝殻の道、運が良ければマングローブ蟹などを見ることができます。
ゴールとなるストーンマネーは、500~600年ほど前にパラオからミクロネシア連邦のヤップ州に運ばれていたストーンマネーのうち、運搬の途中で割れてしまったため運ぶことをやめた、または重すぎて運ぶことができなかったものではないかと考えられています。
ブルーコーナー
カープ島の北西部にあるブルーコーナーと呼ばれるダイビングポイントはサメなどの大物から小さな熱帯魚まで、たくさんの生き物を見ることができることでダイバーたちの憧れのポイントです。
ナポレオンフィッシュはパラオを代表する魚で、大きいものは体長2メートルになることもあります。
世界的にも有名なダイビングスポットである、ブルーコーナーは、近くにはマンタが見れることで有名な「ジャーマンチャネル」や、ダイナミックなシュノーケルができる「ビッグドロップオフ」があります。
ブルーコーナーで見られる魚は600種類以上と言われ、魚たちに囲まれる経験に圧倒されます。
世界中のダイバーが憧れるブルーコーナーをぜひ満喫してください。
ブルーホール
ブルーコーナーの北にあるブルーホールは、水深1m〜2mの位置に4つの縦穴があり、穴は中で大きな1つのドームに繋がっています。
透明度の高い水質と相まって、ドームの中から縦穴を見上げると、日光が差し込む幻想的な様子を楽しむことができます。
その他のカープ島のアクティビティ
ダイビング以外にも、カープ島の周辺ではカヤックを楽しむことができます。2時間ほどで島を1周でき、水平線に向かって徐々に濃くなる海の色を楽しむことができます。
カヤックのレンタルは10USドル〜(約1,080円〜)とチャレンジしやすいので、ぜひパラオの海に繰り出してみてください。
カヤックはゆったりとパドルを漕いで海を楽しむこともできますが、カヤックに乗りながら釣りを楽しむ「カヤックフィッシング」もおすすめです。カヤックは水面との距離が近いので、小魚の群れやきれいな熱帯魚をはっきりと目視することができます。
カープ島周辺の海でも、カヤックフィッシングに挑戦することができます。未経験の方でも楽しく始められるので、気になる方は下記の記事をチェックしてみてください。
カープ島の唯一の宿泊施設「カープ・アイランド・リゾート」
カープ島にある唯一のホテル「カープ・アイランド・リゾート」について、宿泊施設や宿泊・ダイビングの料金や周辺の様子などを紹介します。
カープ・アイランド・リゾートには、ダイブハウス(シャワー・トイレ共同)、デュプレックスコテージ、サンライズコテージ、シーサイドコテージ、ジュニアスイートルームの6タイプ(全23部屋)の宿泊施設があります。
カープ島の船着場から正面に進んだところにレストラン・小さな売店があり、レストランの隣にはダイビングショップ「パラオダイビングセンター」が併設されています。
宿泊料金はピークシーズン(12/21〜1/4と2/1〜2/28)、ミドルシーズン(10/16〜12/20、1/5〜1/31、3/1〜3/31)、ローシーズン(4/1〜10/31)の3つのシーズンで変動し、1泊1室あたり下記のようになります。
- ダイブハウス:105USドル/約11,340円(ピーク)、85USドル/約9,180円(ミドル)、85USドル/約9,180円(ロー)
- デュプレックス:145USドル(約15,660円)、120USドル(約12,960円)、100USドル(約10,800円)
- サンライズ:185USドル(約19,980円)、150USドル(約16,200円)、120USドル(約12,960円)
- シーサイド:205USドル(約22,140円)、185USドル(約19,980円)、150USドル(約16,200円)
- ジュニアスイート:235USドル(約25,380円)、185USドル(約19,980円)、150USドル(約16,200円)
発電設備があるので電気は使えますが、客室にはエアコンや冷蔵庫はありません。それでもシャワーは暖かいお湯が出ますし、トイレは清潔なので短期の滞在であれば問題はないでしょう。
ただ、シャンプーやボディーソープ、歯ブラシなどのアメニティは用意されていないので、カープ島に向かう前にコロール島で調達するか、日本から持参しましょう。タオルは備え付けのものが利用できます。
カープ・アイランド・リゾートではダイビングを申し込むことができ、カープ島から出発するファンダイビングや体験ダイビングの料金は下記の通りです。
- ファンダイビング(2ダイブ):130USドル(約14,040円)
- ファンダイビング(早朝1ダイブ):75USドル(約8,100円)
- ファンダイビング(レイト1ダイブ):75USドル(約8,100円)
- ファンダイビング(ナイト1ダイブ):85USドル(約9,180円)
- 体験ボートダイブ(2ダイブ):195USドル(約21,060円)
- 体験ボートダイブ(1ダイブ):155USドル(約16,740円)
カープ島周辺には「ブルーコーナー」や「ブルーホール」といった世界有数のダイビングポットが点在し、その距離もわずか10分ほどです。コロール島から向かう場合は45〜60分ほどかかるので、かなり時間を短縮できます。
ほかにも、ホテルのビーチ沿いにはハンモックやブランコがあり、ビーチも遠浅なので泳ぎが苦手な人も安心です。ダイビングが不安な方でも、シーカヤックやシュノーケリングを楽しむことができます。
ランチはやはりバーベキューがおすすめ。ホテルの中心部には大きなバーベキューグリルがあり、日帰りツアーでカープ島を訪れた場合はバーベキューランチを楽しむのが定番です。
カープ島は一部のツアーの休憩場所として利用されますが、ツアー客が去ったあとは宿泊者とスタッフを残すだけです。「時計のない島」ともいわれるカープ島に宿泊すれば、美しい朝日や満天の星を満喫することができます。
- ホテル名:カープ・アイランド・リゾート
- 住所、所在地:P.O. Box 5, 96940 パラオ
- 客室数:23室
- URL:http://palaucarpislandreserve.jp/
カープ島へ訪れるにはツアーを利用しよう
カープ島までは旅行の拠点となるマラカル島やコロール島からスピードボートで1時間ほど。カープ島までの定期船はないので、日帰りツアーの参加、カープ島宿泊付きのパッケージツアーの参加、カープ・アイランド・リゾートの送迎、またはチャーターボートの手配が必要です。
カープ島に訪問できるおすすめなツアーをご紹介しましょう。
カープ島を日帰りで訪問する新サウスロックアイランドツアー(インパックツアーズ)
カープ島を訪問するツアーはインパックツアーズが催行する新サウスロックアイランドツアーがあります。
新サウスロックアイランドツアーは、パラオ観光の人気スポットである「ミルキーウェイ」や「ロングビーチ」に訪れ、ダイビングポイントとして有名な「ビッグドロップオフ」や、オオシャコガイを見ることができる「クラムシティー」でのシュノーケリングを楽しめます。
ランチはカープ島でバーベキューを楽しむことができ、2時間ほど滞在するので残り時間でストーンマネーを見に行くこともできます。
注意点として、ツアーの参加にはロックアイランド許可証かジェリーフィッシュ許可証が必要です。持っていない方はツアー参加時にスタッフにお伝えください。また、ツアー前に着替える場所はありません。水着着用の上、短パンやサンダルなどの軽装を準備し、日焼けやスコール対策にウィンドブレーカーや薄手のパーカーがあると便利です。
- ツアー名:新サウスロックアイランドツアー
- 参加費用:大人118.75USドル(約12,825円)、子供(3~12歳)71.25USドル(約7,695円)、幼児(3歳未満)は無料
- 所要時間:7.5時間
- サイトURL:http://www.palau-impac.com/optionaltour/southrockisland.html
カープ島宿泊付きのパッケージツアー
大手旅行代理店のH.I.S.ではカープ・アイランド・リゾートに宿泊するパッケージツアーを提供しています。コロール島からカープ島へのスピードボートや、カープ・アイランド・リゾートの宿泊が含まれていますので、手軽にカープ島で宿泊することができます。
- ツアー名:世界遺産パラオロックアイランド完全攻略 5日間(H.I.S.)
- ツアー代金:189,000円 ~ 289,000円
- サイトURL:https://eco.his-j.com/eco/tour/ECO-ROR01
チャーターボートでカープ島に訪れる方法も
現地のツアー会社で申し込むことができるチャーターボートなら、カープ島をはじめとしたパラオの島々や観光スポットを自由に巡ることができます。
行き先や時期によってボートの値段は変動しますが、例えばインパックツアーズで見積もりをお願いした際は600USドル〜800USドル(約64,800円〜86,400円)でした。一艘あたりの値段なので、複数人でチャーターすれば1人あたりの費用を抑えつつ、オリジナルなロックアイランド観光できます。
時計のない島「カープ島」で自然のままの暮らしを
ダイビングを中心にパラオ旅行を楽しむなら、ブルーコーナーやブルーホールがすぐそばにあるカープ島は非常にアクセスのよいスポットです。その人気は、ベテランダイバーともなれば毎年カープ島に滞在する人もいるほど。
「時計のない島」で時間を忘れてのんびりと過ごし、ときには美しい海でダイビング。現代人にとってはなにより贅沢なひとときを過ごせるでしょう。
パラオ旅行のひとつの思い出に、ぜひカープ島を加えてみてはいかがでしょうか。
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