activity アクティビティ

フィッシングに便利な足漕ぎカヤックとは|足漕ぎの魅力や装備一式、選び方まで

フィッシングに便利な足漕ぎカヤックとは|足漕ぎの魅力や装備一式、選び方まで

カヤックと聞いて、多くの初心者はパドルを使った「手漕ぎ式」をイメージするかもしれません。しかし、数あるアクティビティのなかでもカヤックフィッシングをする場合には、「足漕ぎ式のカヤック」を選ぶと楽しみ方の幅が一気に広がります。

ただし、足漕ぎカヤックにもさまざまなタイプの製品があるので、種類による違いや選び方のポイントはしっかりと押さえなくてはなりません。また、手漕ぎ式とは必要な装備や準備がやや異なる点も、注意しておきたいポイントです。

そこで今回は足漕ぎカヤックの概要や魅力に加えて、装備一式や選び方のポイントなどをまとめました。初心者におすすめの製品もご紹介しているので、ビギナーの方でも足漕ぎカヤックの基礎知識をしっかりと身につけられます。

とくにカヤックフィッシングの幅を広げたい方は、ぜひ最後までチェックしていきましょう。

足漕ぎカヤックとは?手漕ぎ式との違いやメリット・デメリット

足漕ぎカヤックとは、その名称のとおり「足で漕ぐカヤック」のこと。一般的なカヤック(手漕ぎ式)では手にもったパドルで水をかいて進みますが、足漕ぎカヤックでは備えつきのペダルを足で漕ぎながら移動します。

まずは、この足漕ぎカヤックの基本を学ぶために、手漕ぎ式と比べた場合のメリット・デメリットを見ていきましょう。

足漕ぎカヤックのメリット

  • 高い推進力があり、体力をあまり必要としない
  • 移動速度が速く、長距離移動ができる
  • 両手がフリーになるため、移動しながら釣りができる

足漕ぎカヤックは手漕ぎ式に比べるとパワーがあり、高い推進力(船を前に進ませる力)を得られます。多少の風や時化であれば問題なく進めるため、広範囲のアクティビティにぴったりです。漕いでも疲れにくい特性もあるため、体力があまりない方でも安心できます。

また足漕ぎカヤックには、ミラージュタイプとプロペラタイプの二種類がありますが(詳しく後述)、どちらも手漕ぎ式と比べて移動速度が速く、長距離移動に向いています。とくに海や大きな湖などで、広範囲に移動しながら絶好のポイントを幅広く探したいときには重宝するでしょう。

さらに、パドルをもつ必要がなく、「両手がフリーになる」点も大きな魅力。たとえば、船を走らせながら楽しむトローリングや流し釣り、場所を変えて長時間キャストをするルアーフィッシングなど、足漕ぎカヤックはさまざまなスタイルのカヤックフィッシングに適しています。

足漕ぎカヤックのデメリット

  • 小回りが効かないため、狭いエリアの移動には向いていない
  • 装置の取り付けやメンテナンスに手間がかかる
  • 購入する場合、手漕ぎ式と比べると高額(約30〜50万以上)

足漕ぎカヤックは、手漕ぎ式と比べて小回りがあまり効かないため、岸際の入り組んだ複雑なエリアを移動しながら釣りをするのには向いていません。狭い場所で小魚などの釣りを楽しみたい場合は、手漕ぎカヤックの方が向いています。

また、カヤックの推進装置の取り付けや準備、メンテナンス等に手間もかかるというデメリットもあります。メンテナンスを怠ってしまうと、複雑な修理が必要となるケースがあるため、ドライブ部分に異音がした場合などは早めに業者に依頼したほうがよいです。

そして、足漕ぎカヤックは必要になる装備が多くなるため、手漕ぎ式と比べるとコストが高いです。購入する場合は、相場で30万以上から、機能面を充実させると50万円を超えるカヤックもあるので、事前に予算を決めておくことも大切です。そのため、本気でカヤックフィッシングに打ち込みたい方には、足漕ぎカヤックが向いていると言えます。

足漕ぎカヤックの2つの種類!それぞれの特徴を解説

足漕ぎカヤックは動力の仕組みによって、「ミラージュタイプ」と「プロペラタイプ」の2種類に大きくわけられています。いずれもペダルを足で漕いで移動するカヤックですが、適したシチュエーションや使い勝手などが変わってくるので、特徴の違いを理解したうえで購入するカヤックを選ばなくてはなりません。

ご自身がカヤックを楽しむシーンをイメージしながら、種類による違いを確認していきましょう。

ミラージュタイプの特徴とメリット・デメリット

【ミラージュタイプの特徴】

  • メリット…推進力が高い、漕ぎ心地が良く長距離移動をしやすい、足腰が疲れにくい
  • デメリット…小回りがききにくい、プロペラタイプに比べて高価

【ミラージュタイプをおすすめする人】

  • 移動速度を優先させたい人
  • ストレスなく長距離移動をしたい人
  • 体力にあまり自信のない人

船底に「ミラージュドライブ」と呼ばれるフィンが備わっており、そのフィンを動かして水をかくタイプのカヤックです。ミラージュタイプは推進力が非常に優れており、なかには最高時速が10kmに達する製品も見られます。人の歩く速度が平均時速4〜5kmと言われているため、その約2倍のスピードです。

また、水の抵抗を受けにくい仕組みになっており、一度動き出すと軽い力で進みつづけられる点も大きなメリット。そのため、ミラージュタイプは体力にあまり自信のない方や、長距離を移動したい方にぴったりでしょう。とくに海でカヤックフィッシングをする場合は、水上をストレスなく移動する「漕ぎ心地」が存分に発揮されるでしょう。

その一方で、基本的に後ろ向きに進めない点は注意しておきたいポイントです。構造上の問題で小回りには適していない製品が多いので、狭いフィールドではやや使いづらさを感じるかもしれません。

また、カヤック本体だけで30万円以上かかる製品が多く、プロペラタイプより価格が高い点にも注意が必要です。

プロペラタイプの特徴とメリット・デメリット

プロペラタイプの特徴】

  • メリット…小回りがきく、後ろ向きに移動できる、ミラージュタイプに比べて安価
  • デメリット…推進力がやや低い、足腰に負担がかかりやすい、長距離移動にあまり向いていない

【プロペラタイプをおすすめする人】

  • 小回りが効く水上移動をしたい人
  • バックができる性能が必要な人
  • なるべく予算を安価に抑えたい人

船底にスクリューが備わっており、そのスクリューを動かすことで移動するタイプ。ミラージュタイプに比べると推進力は劣りますが、小回りや後ろ向きの移動がしやすいので、狭いフィールドに適したカヤックでしょう。たとえば、複雑に入り組んだエリアで、小魚などの釣りを楽しみたい方にぴったりです。

また、さまざまなメーカーから販売されており、全体的にミラージュタイプより安価な点も魅力的なポイント。もちろん製品ごとに価格は異なりますが、20万円前後で購入できるモデルが充実しています。

ただし、ミラージュタイプに比べると、移動するときに足腰に負担がかかりやすいため、長距離・長時間の移動には適していません。というのも、プロペラタイプのカヤックは、プロペラ式の推進装置が大きく、水上移動での水の抵抗をかなり受けてしまうからです。それでも、手漕ぎ式カヤックと比べると、体力の消耗具合いや漕ぎ心地は良くなっているので安心してください。

足漕ぎカヤックを楽しむための準備と用意しておきたいアイテム

足漕ぎカヤックで安全・快適にアクティビティを楽しむ際には、カヤック本体以外にも用意したいアイテムがいくつかあります。予算の問題もあるので、すべての装備を用意する必要はありませんが、各シーンで必須となるアイテムは確実に用意しなければなりません。

そこで以下では、「必須となる装備」と「あると便利な装備」にわけて、用意しておきたいアイテムをまとめました。

【必須となる装備】

  • 救命胴衣…カヤックでは万が一転覆した場合に備えて、ライフジャケットなどの救命胴衣を用意しておく必要があります。
  • 予備のパドル…足漕ぎカヤックの動力部分に不具合が生じると、その場所から動くことができません。このようなケースに備えて、念のためスペアパドルを用意しておくと安心です。
  • アンカー…川底や海底に落とすことで、カヤックを同じ場所に留まらせるための機材。「フォールディングアンカー」と「パラシュートアンカー」の2種類があり、フィールドや目的によって適したタイプが異なります。
  • ホイッスル…なんらかのトラブルが発生したときに、周囲の人に自分の存在を知らせるためのアイテムです。
  • フラッグ…カヤック本体に立てることで、遠くからの視認性を上げるためのアイテム。自分の存在を早めに気づいてもらえるので、船同士の衝突を避けられます。
  • リーシュコード…カヤック本体とパドルなどを結び、船上から備品が落ちることを防ぐための道具です。

【あると便利な装備】

  • 偏光グラス…水面に反射した太陽光を遮断することで、水中を見えやすくしてくれるアイテム。とくに魚影を確認するカヤックフィッシングでは、必須ともいえるほど重要な道具です。
  • ランディングネット…釣った魚をカヤック上に引き上げるための道具。ターゲットとなる魚が大きい場合、釣り竿の力だけでは水中から引き上げられないケースもあるので、カヤックフィッシングではランディングネットが大活躍します。
  • 魚群探知機…超音波を発することで、水中の魚群を探知できる機器。カヤックフィッシングを楽しむ際に用意しておくと、常に魚群を追いながら釣るポイントを決められます。
  • 防水ケース…スマートフォンや財布など、貴重品を入れておくためのケース。防水性能が高いケースを用意しておくと、揺れが多いシーンでも集中してアクティビティに取り組めます。
  • ミラージュタイプ用のフィン…ミラージュタイプに備わっているフィンは、とくに消耗が激しい部分です。長年使うと不具合が生じることもあるので、その都度交換をしなければなりません。フィンには操作性の高い「ノーマルフィン」と、推進力に特化した「ターボフィン」の2タイプがあるので、使用するシーンや目的に合わせたタイプを選びましょう。

注意したい点として、カヤックフィッシングをする際には、適切な服装や持ち物が季節・気候によって異なるため、それぞれのポイントを押さえたうえで準備を進めることが大切です。

以下の記事では、カヤックで必要となる服装や持ち物を準備するポイントから、各アイテムの必要性について詳しく解説しています。こちらの記事も一緒に参考にしてくみてください。

カヤックに必要な準備まとめ|安全・快適に楽しむ服装や持ち物まで

足漕ぎカヤックの選び方|初心者が押さえたい3つのポイント

足漕ぎカヤックの製品はバリエーションが豊富なので、とくに初心者の方は候補を絞る段階で迷ってしまいがち。とくにプロペラタイプはメーカーの数が多いので、「なかなか目星をつけられない……」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

そこで以下では、足漕ぎカヤックの選び方のポイントをまとめました。各シーンに最適なカヤックを選ぶためにも、ぜひ以下のポイントを参考にしてみましょう。

1. カヤック購入の「目的」を意識する

購入する足漕ぎカヤックを選ぶ際には、まずは種類から決める必要があります。以下のように、カヤックを購入する「目的」によって適したタイプは異なるので、実際にアクティビティを楽しむシーンを想定しながら候補を絞ることが大切です。

  • ミラージュタイプを購入する目的…スピードを重視したい、遠距離の移動が必要になる、漕ぎ心地や快適性を高めたい など
  • プロペラタイプを購入する目的…狭い範囲を移動する、頻繁に小回りが必要になる、コストをできるだけ抑えたい など

カヤックフィッシングに限っていえば、釣りを楽しむフィールドや狙う魚によっても適したタイプが異なります。現地の情報をしっかりと調べたうえで、購入するカヤックに必要な要素を考えてみましょう。

2. 船上の広さやロッドホルダーの設置箇所

搭乗スペースの広さも、アクティビティの快適性に大きく関わってくる要素です。スペースが狭すぎると、動きにくいうえに積載できる荷物の量も限られてくるので、十分な広さが確保されたカヤックを選ばなくてはなりません。

また、とくにカヤックフィッシングを楽しむ場合には、ロッドホルダーの「設置箇所や数」も重要なポイント。ロッドホルダーの数が多いほど、同時に使用できるロッド(釣り竿)の数が増えるので、カヤックフィッシングの効率がぐっと高まります。

3. 持ち運びのしやすさ

基本的に足漕ぎカヤックは自宅、もしくは決められたスペースに保管するため、陸上で持ち運ぶことも考えなくてはなりません。サイズが大きいカヤックは魅力的に見えるかもしれませんが、そのぶん持ち運びの際に大きな負担がかかるので要注意です。

足漕ぎカヤックの持ち運びのしやすさは、「サイズ」と「重量」によって決まります。基本的には全長や幅が小さいもの、軽量なものを選べば、持ち運びで苦労することはないでしょう。

どうしても大きめの足漕ぎカヤックが欲しい場合には、少ない力でカヤックを持ち運べる「カヤックカート」の購入をおすすめします。

迷っている初心者必見!おすすめの足漕ぎカヤック5選

選び方のポイントを押さえたら、いよいよ実際の製品をチェックしていきましょう。足漕ぎカヤックには定番&人気のモデルがいくつかあり、まずは多く選ばれている製品に目をとおすことが大切です。

そこで以下では、とくに初心者の方におすすめしたい足漕ぎカヤックをまとめました。

1. MIRAGE COMPASS/HOBIE(ホビー)

 【「HOBIE」カヤック製品の特徴】

  • ミラージュタイプの製品が充実
  • 金額がリーズナブル
  • 使い勝手に優れた機能面の充実

ミラージュタイプのカヤックを探しているのであれば、やはり世界的メーカーである「HOBIE」の製品がおすすめです。

ミラージュコンパスは同メーカーが取り扱っているなかでも、比較的リーズナブルなモデル。全体的にシンプルなデザイン・構造ですが、広々としたスペースと2箇所のロッドホルダーが備わっているなど、ユーザーの利便性もしっかりと追求されています。

また、一般的なミラージュタイプの製品に比べて、総重量が39kgと軽い点もうれしいポイント。リーズナブルかつ使い勝手が良い製品なので、「コストパフォーマンスの高いミラージュタイプが欲しい」と考えている方にぴったりです。

Mirage Compass – Fishing Kayak | Kayaks | Hobie

2. ペスカドールパイロット/mont-bell(モンベル)

【「mont-bell」カヤック製品の特徴】

  • プロペラタイプの製品が充実
  • 機動力、スピードに定評がある
  • コストパフォーマンスが良い

国内の大手アウトドアメーカー「mont-bell」が取り扱っている、プロペラタイプの足漕ぎカヤック。プロペラ式ならではの機動力が大きな魅力であり、リーズナブルな価格でありながらスピード・パワーにも強いこだわりが見られます。

さらに、238kgの最大搭載重量やパドルホルダーが備わっているなど、カヤックフィッシングに最適な機能が充実。それなりの機能・装備は求めつつも、「できればコストを抑えたい」と感じている方におすすめです。

モンベル | オンラインショップ | ペスカドールパイロット

3. Manta Ray Propel Angler 12/Native Watercraft(ネイティブウォータークラフト)

【「Native Watercraft」カヤック製品の特徴】

  • 初心者におすすめな製品が充実
  • スタイリッシュなデザイン

あらゆるタイプのカヤックを取り扱うメーカー、「Native Watercraft」が手がける初心者人気の高いモデル。推進方式にはプロペラ式が採用されており、船体には2箇所のロッドホルダーが備わっています。

やや重量のある製品ですが、カヤックフィッシング用としては申し分ない機能性なので、初心者の入門機にぴったり。4種類のカラーが用意されている点、スタイリッシュさを感じさせるデザインなども魅力的なポイントです。

Manta Ray Propel Angler 12 – Pedal Fishing Kayak – Native Watercraft

4. 忍 -SHINOBI-/VIKING KAYAK JAPAN(ヴァイキングカヤックジャパン)

  【「VIKING KAYAK JAPAN」カヤック製品の特徴】

  • 日本の釣りに特化した高品質な日本ブランド
  • オプションアクセサリーが充実したカスタマイズ性

日本の釣りのために設計された日本製のカヤックを取り扱う「VIKING KAYAK」が、高品質な素材と機能面を充実させた豪華なモデル。材質の特殊ポリエチレンは、高い紫外線にさらされたオーストラリアの過酷な環境にも耐えられる豪州規格をはじめ、格式ある米国FDAの基準もクリアしています。

船体はコンパクトでありながら、大容量なセンターコンソールを備え、フロントには移動中にルアーをセットできる場所も確保されています。また、オプションアクセサリー類も充実しているので、カスタマイズの楽しみも広がります。

忍 -SHINOBI-  VIKING KAYAK JAPAN

5. Skimmer 116/Hurricane Kayaks(ハリケーンカヤックス)

  【「Hurricane Kayaks」カヤック製品の特徴】

  • 機動性と安定性を兼ね備えたモデル
  • カート要らずで持ち運びができる軽量なつくり

「スキマー(Skimmer) シリーズ」という軽量さで人気を集めたモデルを出してきたメーカーの「Hurricane Kayaks」。カヤックカートを使わずとも、頭上にかついで移動できるその軽さは、初心者から上級者まで幅広く愛用されています。

「スキマー116」は、重量が19.5kgとかなり軽量なので、パドリングも軽快に行える機動性が注目されています。材質はアクリルとABS樹脂を使用したTrylonという軽量素材を使用していて、ポリエチレンよりも軽量で衝撃にも強いので安心です。

ただし、ロッドホルダーが標準装備されていないため、艤装しての取付けを事前にしておく必要があります。

Skimmer 116 – Hurricane Kayaks

効率的にカヤックフィッシングを楽しむために、ぜひ最適な1艘を

足漕ぎカヤックはただ移動するだけでも楽しめますが、なかでも「カヤックフィッシング」の幅をぐっと広げてくれる乗り物です。各フィールドに最適なカヤックを用意しておけば、安全性や快適性につながるのはもちろん、効率的にカヤックフィッシングを楽しめるでしょう。

ただし、そのためには種類による違いや選び方のポイントを押さえたうえで、購入するカヤックを慎重に選ぶ必要があります。今回ご紹介した内容を参考にしながら、長く愛用できる足漕ぎカヤックをぜひ見つけてみてください。