初心者がダイビングを楽しむためには、適切なダイビングウエイトを見つける必要があります。誤ったダイビングウエイトだと、快適なダイビングが楽しめず安全面も確保できません。
本記事では、「そもそもダイビングウエイトとは何か」といった基礎知識から、自分に合ったダイビングウエイトの見つけ方、そして装着方法について解説していきます。
「脱初心者」をするためにも必要な知識ですので、ダイビングをもっと楽しみたい方はしっかりと学習しましょう。
ダイビングウエイトとは?
ダイビングウエイトとは、中性浮力を保つために必要な重さを指します。通常、ベストや腰周りに重りを付けることで調整を行います。
中性浮力とは、海中で浮きもしない沈みもしない均等に浮力が取れている状態を指し、広範囲を楽に泳ぐことを可能にします。
中性浮力が保てないと、深くまで潜れなかったり、海中で身体をコントロールしづらくなってしまいます。またBC(浮力調整装置)にエアを出し入れして、浮力を調整する必要があるので、エア切れを起こしてしまうという可能性があります。
初心者ダイバーは、まず自分にあったウエイト量を把握し、中性浮力を保つスキルを習得する必要があるでしょう。
ダイビングウエイトは人によって異なる
適正なダイビングウエイトは、人によって異なります。似たような体型をしている人でも、使用しているタンクやウエットスーツによって、変化するので、自分に合った適正ウエイトを見つけ出す必要があります。
ダイビングウエイトに関わる要素は、以下のようなものになります。これらの要素によって、適正ウエイト量が決まります。
- 身長
- 体重
- 筋肉や脂肪量
- ウエットスーツの素材や重さ
- タンクの素材や重さ
- ダイビングスタイル
ダイビングウエイトの目安
平均的な身長・体重のダイバーの方が、一般的に国内のダイビングで使用される「スチール製10Lのタンク」と「5mmのウエットスーツ」を装備・着用した場合、大まかなダイビングウエイトの目安を以下のようになります。
- 男性:3〜4kg
- 女性:2〜3kg
ただし、この数値はあくまでも目安です。上記でお伝えした通り、身長や体重・ダイビングスタイルによって、若干調整を行う必要があります。平均より身長が高い方や体重の重い方は、「+1kg程度」ウエイトを重くしてみても良いでしょう。
なお、適正なダイビンウエイトに関しては、実際にダイビング器材を装着し、水中に潜ってみることで把握できます。次の章で解説していますので、参考にしてみてください。
ダイビングウエイトの測り方
適正ダイビングウエイトは、BC(浮力調整装置)やドライスーツの空気を抜いた上で、垂直に浮いてみると分かります。
- BCやドライスーツの空気を全て抜く
- 水面で呼吸をする
水面で呼吸をし、水面と目線がほぼ同じ高さになるのが適正ウエイトです。この際に、身体が沈み切らず首から上が水面に出ている状態であれば、ウエイト量が軽すぎます。
また反対に身体が沈みすぎて、頭まで水面下に沈んでしまう場合は、ウエイト量が重するオーバーウエイトの状態にあたります。ウエイト量をこまめに調整し、何回か上記の工程を試すことで、自分にあったウエイト量を把握できます。
なお、初心者ダイバーは必ずすぐに足が着く浅瀬でウエイト量の調整を行なってください。適正ウエイト量より過度に重い場合だと、沈みすぎてパニックに陥る可能性があります。バディの監視の元に行うなど、しっかりと安全を確保しましょう。
ダイビングウエイトの種類と装着方法
ダイビングウエイトを装着する方法には、いくつか種類があります。それぞれで特徴が異なりますので、自分のニーズに合ったものを適切に選びましょう。
ウエイトベルト(腰回り)
ダイビングウエイトにはさまざまな種類がありますが、もっとも一般的なのがウエイトベルトに重りを付ける方法です。この方法は、緊急時に重りを素早く外せるクイックリリースシステムという機能があるので、安心して使用できます。
ベルトにポケットがついているので、自分に合った適正ウエイトをバランスよく収納しましょう。ただ、腰回りに付けるウエイトベルトは、適正ウエイト以上の重さをつけると腰を痛めてしまう可能性があります。自分の適正ウエイトをしっかりと理解して装着することが大切です。
ウエイトベスト(上半身)
ウエイトベルトは、手軽に脱着ができますが、腰回りに重りが集まるので腰を痛める原因になります。そんな時におすすめなのが、ウエイトベストです。4つ〜5つほどのポケットがあり、重りを上半身全体に分散できるので、水中でも安定しやすいのが特徴です。
ZEROのNPJウエイトベストは装着するには6つのバックルで留めて固定されますが、緊急時にはすぐに取り外すことができるようにワンタッチバックル方式が採用されています。ウエイトベルトよりも取り外しが難しいといわれるウエイトベストですが、緊急時にも安心なおすすめの商品です。
また、最大積載ウエイトが12kgと耐久性に優れています。ドライスーツを着用してウエイトの量が増えてしまったときにも安心です。
BCのウエイトポケット(上半身)
BC(浮力調節装置)のポケットに重りを入れる方法もあります。こちらも腰回りの負担を軽減できる他、ウエイトベルトやウエイトベストを用意する必要がないので、手軽に利用できるという利点があります。
ただし、ポケット数が限られており、重りをたくさん付けてウエイト量を増やしたい場合には注意が必要です。
アンクルウエイト(足首)
アンクルウエイトは、ベルトタイプのものですが、腰ではなく足首に装着します。冬場や寒冷地でのダイビングでドライスーツ着用すると、足元に空気がたまり、下半身が浮いてしまい、逆立ちのような状態になってしまうことがあります。
そんな時に役立つのがアンクルウエイトです。足首に重りを集めることによって、身体の姿勢を適切にしてくれます。
ただ、アンクルウエイトは足首に巻きつけてウエイトを加えるものなので、重すぎるものを装着するとフィンキックが思うようにいかないこともあります。アンクルウエイトも適切な重さのものを身に着けるよう注意しましょう。
アンクルウエイトは、ドライスーツを着用してウエイトの量が増えてしまった場合や、全体のウエイトを分散させたい場合におすすめです。
まとめ|適切なダイビングウエイトは見つけて、快適なダイビングを楽しもう
ここまでダイビングウエイトの測り方や装着方法について解説してきました。適正ダイビングウエイト量には個人差があるので、目安を参考にしつつも、あくまでも自分で見つけるのが大切です。
また使用するウェットスーツや自分のダイビング スキルによっても、適正ウエイト量は変わります。常に同じウエイト量ではなく、定期的に見直すことで快適なダイビングができるようになります。
特に初心者は、最初のダイビング講習でインストラクターから教わったダイビング 量を守りがちですが、定期的に見直すようにしましょう。
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