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ダイビングライセンスの種類|Cカードの費用やランクについて徹底解説

ダイビングライセンスの種類|Cカードの費用やランクについて徹底解説

「Cカード(正式名称:Certification Card)」は、ダイビングの知識・技能の習得を示す認定証のこと。

ライセンスを取得すると、体験では潜れない深さまでダイビングができるので一気に幅が広がります。

しかし、ライセンスにはさまざまな種類があるので、とくに初心者の方はライセンスが取得できる団体やランク・費用などの違いを理解しておくことが大切です。

そこで今回は、ダイビングライセンスの必要性やその種類、取得できる団体や費用についてまとめてみました。

ダイビングの幅を広げたい方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

ダイビングを楽しむのにライセンスは必要?体験ダイビングとの違い

旅行会社などが企画するツアーには、「体験ダイビング」と呼ばれるプランがあります。体験ダイビングであっても海に潜って水中世界は楽しめるので、「ダイビングライセンスは必要?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、体験ダイビングとファンダイビング(ライセンスを要するダイビング)には、さまざまな違いがあります。とくに楽しみ方が大きく変わってくるため、両者の違いをきちんと理解しておきましょう。

体験ダイビングはインストラクターの同伴アリ

体験ダイビングとは、インストラクターが同伴する形で楽しめるダイビングのこと。実際の内容はプランによって変わりますが、最初にかんたんな説明や講習を受けてから、浅い水深でダイビングを楽しむ流れが主流です。

体験ダイビングでは水深に制限があり、最大6mまでしか潜れません。また、比較的安全な場所で遊ぶことになるので、潜れる範囲も制限されてしまいます。

ただ、器材の操作や安全管理などもインストラクターがすべて行ってくれるため、小さなお子さまや未経験の方にはぴったりでしょう。

ライセンス有りのファンダイビングなら潜れるエリアがぐっと広がる

ファンダイビングは、ライセンスを取得したダイバーが参加できるプランです。潜れる深さはライセンスの種類によって変わりますが、10mより深いの水深でダイビングを楽しめます。

また、自分自身で潜るコースを設定できる点も、ファンダイビングならではの魅力でしょう。水中世界を自由に探索したり、深いエリアに生息する生き物を見たりなど、楽しみ方の幅が一気に広がります。

ただし、ファンダイビングでは安全管理を自分で行う必要があるため、ダイビングに関する正しい知識を身につけておくことが大切です。

ライセンスのランクとは?

ダイビングのライセンスには大きく4つの種類があり、それをランクといいます。また、ダイビングのランクによって潜れる深さや潜る際の同伴者の有無が変わってくるので、それぞれのランクでできることをしっかりと把握しましょう。

世界中のダイバーに支持されている5つのダイビング指導団体を例に、それぞれのランクの名称をまとめました。なお、以下5つの指導団体でライセンスを取得すれば、世界中でダイビングを楽しむことができます!

ダイビングのライセンスではありませんが、海についての専門的な知識を習得できるコースや、スノーケリングやスキンダイビングを楽しむためのコースなど、指導団体によって様々なコースが用意されています。

ランクによるダイビングライセンスの種類と特徴の違い

じつは、ダイビングライセンスとひとえに言っても、そのランクによってライセンスの内容は異なります。ある程度の基準はありますが、ランクの名称や概要は各団体が独自に決めているため、事前にしっかりと下調べをしておきましょう。

世界一のシェアを誇る団体「PADI(パディ)」を例に挙げて、ランクによる違いを具体的にご紹介していきます。

1. PADIスクーバ・ダイバー

PADIのCカードの中で、最も気軽に取得することができるライセンスです。最大12mまで潜れることが可能になります。PADIプロフェッショナルと同伴でダイビングを楽しむのことになるので、安心です。ダイビング器材の購入やレンタルなどのサービスを受けれるようにもなります。

講習は以下の3つで構成されています。

  • 知識の開発(3セッション)
  • プールダイブ(3セッション)
  • 海洋実習(2ダイブ)

短時間でスムーズに取得できるライセンスなので、あまり時間を確保できない方や、「最初のうちはインストラクターと一緒に潜りたい!」と感じている方にもおすすめです。

【基本情報】

  • 水深最大12mまでダイビング可能
  • 取得可能年齢:15歳以上(ジュニア・スクーバ・ダイバーは10歳以上)
  • 取得に要する期間:1日間~3日間
  • 取得費用の目安:およそ3万5,000円~4万円
  • 同伴者の必要性:あり

2. オープン・ウォーター・ダイバー(OWD)

世界中でもっとも人気が高い、水深18mまで潜れるようになるライセンス。ダイビングの基本的な知識・スキルを学べるコースであり、上記の「PADIスクーバ・ダイバー」と講習内容を比較すると、各講習のセッション数が増えています。

  • 知識の開発(5セッション)
  • プールダイブ(5セッション)
  • 海洋実習(4ダイブ)

ちなみに「PADIスクーバ・ダイバー」を修了した方は、このコースでの一部の講習が免除されます。初心者からステップアップするためのコースとしてもおすすめですが、講習内容はいずれも基本的な内容となるので、最初からこちらのコースを受講しても問題ありません。

【基本情報】

  • 水深最大18mまでダイビング可能
  • 取得可能年齢:15歳以上(ジュニアOWDは10歳以上)
  • 取得に要する期間:2日間~4日間
  • 取得費用の目安:およそ4万円~6万円
  • 同伴者の必要性:なし

3. アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー(AOW)

「オープン・ウォーター・ダイバー」の取得後に受けられる、さまざまな種類のダイビング技術が求められるコースです。ライセンスの取得後は30mの水深まで潜れるため、ダイビングの幅を一気に広げられます。

講習は24種類のアドベンチャー・ダイブのうち、3種類を選択して受ける内容。それに加えて、「水中ナビゲーション」「ディープダイブ」の講習が必須となるため、全5種類のダイビング技術が必要です。

中級者~上級者を目指す方は、ぜひ受講を考えてみましょう。

【基本情報】

  • 水深最大30mまでダイビング可能
  • 受講対象:オープン・ウォーター・ダイバー(OWD)の取得者
  • 取得に要する期間:3日間~5日間
  • 取得費用の目安:およそ4万5,000円~6万5,000円

4. レスキュー・ダイバー(RED)

水中で発生する問題の予防・管理方法を学ぶコースです。自分自身の安全性が高まるだけではなく、救助や救命方法も講習内容に含まれているため、一緒に潜る仲間の安全も守れるようになります。

このコースの受講には、上記の「アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー」のライセンス、もしくは他団体の同等のライセンスが必要です。頼りがいのあるバディを目指す方は、ぜひ取得を目指してみましょう。

【基本情報】

  • 水中で発生する問題の予防・管理方法を学ぶコース
  • 受講対象:アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー(AOW)の取得者
  • 取得に要する期間:2日間~3日間
  • 取得費用の目安:およそ5万5,000円~6万8,000円

5. マスター・スクーバ・ダイバー(MSD)

上記の「レスキュー・ダイバー」を修了した場合に受けられる、アマチュア最高峰のライセンスが発行されるコースです。50以上のダイビング経験の証明が必要になりますが、ダイビングのスキルに加えてトラブルの予防・対処能力も備わっていることを示すので、名誉あるライセンスといえるでしょう。

PADIのこのランクまで達成しているダイバーは、全ダイバーの2%ほどとされています。

上記のほかにもPADIには、各分野をさらに詳しく学べる「スペシャルティ・コース」や、プロのダイバーを目指す「プロフェッショナル・コース」などがあります。ダイビングの具体的な目的をしっかりと決めたうえで、その目的にぴったりなライセンスを取得するようにしましょう。

ダイビングライセンスを取得できる5つの団体

ダイビングライセンスは民間団体が発行していますが、じつは世界中に数十もの団体があります。各団体が独自にCカードを発行しているため、ダイビングライセンスの種類はひとつではありません。

また、正式な認定証として使用できるCカードは、各国がそれぞれ独自に認定しています。つまり、世界中の海で自由に潜るためには、広く認められている世界基準のCカードを取得する必要があります。

世界的で広く認められている5つの団体をご紹介します。

1. PADI(パディ)

PADI(パディ)はアメリカに本部を構える、世界最大級のダイビング教育機関。PADIが発行するライセンスはまさに世界基準であり、ダイバー全体の60%以上のシェアを占めています。

PADIはプログラムが充実しており、かつ世界的に指導基準が統一されているため、基本的な知識・スキルがしっかりと身につきます。また、「PADI eラーニング」を導入することで、インターネット上での講習を可能としています。

PADIの中でもっとも基本的なライセンスは、「オープン・ウォーター・ダイバー(OWD)」と呼ばれるもの。このライセンスを取得することで、ダイバーは水深18mまで潜れるようになります。

PADIのCカードには通常の「現行Cカード」とゴールドの「現行Cカード(5スター店発行)」の2種類あります。ゴールドの方はPADIのスクールの中でも5スターが与えられた店だけが発行できます。

5スターが与えられたスクールは、ダイビング教育・器材・体験・環境の各分野において高評価を受けています。ゴールドカードを所持していることで、信頼されているダイビングスクールでライセンスを取得したことを証明することができます。

 

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2021年には新たに「ハンマーヘッドシャークとメジロザメ」のイラストが入ったProject AWAREとのコラボCカードが発行されました。

Project AWAREとは、ダイバーに参画を呼びかける非営利の海洋環境保護団体です。一口500円以上の寄付により、このオリジナルCカードを発行することができます。

2. NAUI(ナウイ)

NAUI(ナウイ)は1960年にアメリカで設立された、ダイビング指導団体の老舗。PADIと並んで知名度が高く、10歳以上で取得可能な「パスポートダイバープログラム」や、バディや水中ガイドと水深18mまで潜れるようになる「スクーバダイバーコース」など、複数のコースが用意されています。

さらに各プログラムが充実しており、学科講習に加えてプールや海でのトレーニングがあるため、基本的な知識・スキルをしっかりと身につけられます。なかでも、スクーバダイバーコースは最低4回の海洋実習が実施されているなど、実践的なスキルの習得に力を入れています。

Cカード(通称:ダイビングライセンス)取得ならNAUI

3. BSAC(ビーエスエーシー)

安全を最優先したプログラムに力を入れている、1953年にイギリスで設立された団体です。「初級・中級・上級」とわかりやすくコースが分けられており、ほかにもアマチュア最上級コースなど、多様なプログラムが用意されています。

基本的なコースである「オーシャンダイバー(初級コース)」に合格すると、最深18mまで潜れるライセンスを取得できます。また、時間をあまり確保できない方に向けて、最深12mまで潜れるようになる「スクーバーダイバー(初級コース)」を用意している点もBSACの特徴です。

BSAC JAPAN公式サイト(スクーバダイビング指導団体)世界最古の歴史と伝統を持つダイビングクラブ

4. SSI(エスエスアイ)

1970年にアメリカで設立された、経験を重視したカリキュラムが特徴的な団体です。最大16mまで潜れるようになる「オープンウォーターダイバー」では、プールと海洋でのトレーニングが計10回組み込まれています。

こちらのコースは取得までに16時間~32時間かかるとされていますが、その半分程度の時間で取得できる「スクーバダイバー」も用意されています。ほかの団体に比べると、ライセンスの取得までにやや時間を要しますが、実技スキルをしっかりと身につけたい方にはぴったりな団体でしょう。

SCUBA SCHOOLS INTERNATIONAL – THE ULTIMATE DIVE EXPERIENCE

5. CMAS(クマスまたはシーマス)

CMASは、フランスを発祥とする国際的なダイビング指導団体です。CMASは「世界水中連盟」として活動しており、スキューバダイビングはもちろんのこと、水中乗物、水中設備、水中科学など、あらゆる水中活動を推進しています。

現在、CMASの基準で水中レジャー活動を提供している施設は13,000か所にのぼり、これまで600万人以上のダイバーとなる人材を輩出してきました。

CMASの学科講習では、指定の教材を元に約5時間おこなわれますが、受講生のニーズに合わせてスケジュールを調整することができます(例:最大3日間の受講で、1.5時間×3日など)。またライセンス取得後には、受講生が参加できるさまざまなツアーが開催されているので、すぐにダイビングを楽しみたい方は申し込んでみるとよいでしょう。

CMAS日本協議会

PADIによるダイビングライセンスの講習内容

一般的にダイビングライセンスを取得する場合、基礎となり一番人気がある「オープンウォーター・ダイバー・コース」を受講するのをおすすめします。

このコースでは、学科、プール講習、海洋実習の3つの流れで学習し、合計4日間のスケジュールが組まれます。ここでは、実際の講習内容について紹介するので、ぜひ参考にしてください。

学科講習

学科講習では、水中世界を安全に楽しむための知識を身につけます。おもに5つのセッションに分かれており、以下の内容を学習していきます。

  • ダイビング器材の適切な選び方と事前に必要な準備
  • 水中の自然環境や海洋生物の基礎的な情報
  • 水中で問題を起きた時の安全対策
  • ライセンス取得後のダイビング計画の立て方

これらは事前に、配布されるマニュアルやDVDで自主学習をした上で、ダイビングスクールでの学科講習に参加することができます。

講習の最後には、筆記試験を受ける必要があり、正解率が75%以上を満たしていれば無事に合格となります。万が一、合格点に満たさなくても再チャレンジはできるので、あまり心配しないで大丈夫です。

プール講習

プール講習では、海に入る前のダイビング器材の使い方や基本的な身体の動かし方について、模擬練習ができます。

体験ダイビングをしたことがない方にとっては、この時がはじめて水中で呼吸する体験となるので少し緊張するかもしれません。しかしプール講習では、一つひとつのステップを自分のペースでじっくりと練習できるので、安心してください。

通常だと、1日で終了する講習(5セッション)ですが、もし不安がある場合は、自信を持てるようになるまで何度でも練習ができます。この点は、担当のインストラクターに遠慮なく相談をするようにしましょう。

海洋実習

いよいよ海洋実習、実践編です。

通常のスケジュールでは、1日2ダイブ×2日の日程で、合計4ダイブが実践できます。実習中、ダイビングショップから所定の海までは送迎バスで向かい、その日の天候や潮の流れから、インストラクターが最適なポイントを選んでいきます。

この実習を経て、インストラクターによるチェックが無事に終了すれば、いよいよ正式なダイバーとして認定されます。

これでようやく、世界のあらゆるダイビングスポットを満喫できるようになるわけです!

ダイビングライセンスを取得するのに必要な持ちもの

数あるマリンアクティビティのなかでも、ダイビングは必要な器材が多いアクティビティ。全ての器材や持ちものをしっかり揃えようと思うと、お金がかかるものです。

本格的にはじめる前である、ダイビングライセンスを取る段階であれば、必要な持ちものはなるべく最低限に抑えていたいですよね。

ここでは、ダイビングライセンスを取るうえで、基本的に必要となるものを一挙にご紹介します。

【必ず必要となるもの】

  1. 水着
  2. サンダル
  3. 長袖の上着
  4. 長袖のインナー
  5. 靴下

【あると便利なもの】

  1. 日焼け止め
  2. 酔い止め
  3. スポーツタオル

【ダイビング器材でレンタルできるもの(スクールによって異なる)】

マスク/スノーケル / スーツ / フィン / マリンブーツ / グローブ / ダイブコンピューター / BCD(浮力調整具)/ レギュレーター / オクトパス(予備のレギュレーター)/ コンソールゲージ / ウエイトベルト / 水中ライト / 水中ナイフ / 水中カメラ / 水中ノート / メッシュバッグ/ ダイビングバッグ

また、ダイビングライセンスを取得した後であれば、本格的なダイビングの器材を自分用として買い揃えたいと考えたくなるでしょう。そのときに役立つ情報として、ダイビングに必要な器材各器材の役割や選び方に加えて、価格相場やおすすめ製品などを下記の記事に掲載しています。どうぞ、参考にしてみてください。

【総まとめ】ダイビングに必要な器材|各器材の機能や役割や便利アイテムまで

目的にぴったりなライセンスを取得して、ダイビングの幅を広げよう!

ダイビングライセンス(Cカード)を取得すると、楽しみ方の幅は一気に広がります。世界には洞窟ポイントや沈没船のように、深い場所まで潜らないと存分に楽しめないスポットも多いため、より魅力的な体験をしたい方はライセンスの取得を目指してみましょう。

また、団体やランクによっても楽しみ方は変わってくるので、目的にぴったりなライセンスを選ぶことが大切です。

ライセンスを取得できたら海外のダイビングスポットへ行こう

海外のダイビングスポットと聞くと、なにかと「お金がかかりそう」や、「海外はちょっと不安」と考えて、敬遠してしまうことがあるかもしれません。

しかし、意外と低予算の価格でツアーを楽しめたり、適切なスポットを選べば安全にダイビングを楽しむことができます。そして、海の中に広がる絶景や見たことのない海洋生物を目にして、忘れられない思い出を作ることができるでしょう。

ダイビングライセンスを取得したあなたも、一度でいいのでそのような体験をしてみたいと思いませんか?

下記の記事では、ダイビングツアーが魅力的な海外のスポットを紹介しています。
どうぞ、こちらも一緒にご覧ください。

ダイビングツアーが魅力の海外スポット10選|海の大自然を満喫しよう

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