ダイビングライセンスは世界共通なので、日本だけでなく、海外でもライセンスを取得できます。とはいえ、英語が苦手だけどライセンス取得ツアーに参加できるのか、費用はいくら必要なのかなど、心配してしまいますよね。
本記事では、海外でダイビングライセンスを取得するメリットや注意点、必要な費用や日数を解説していきます。
また、日本人スタッフが常駐しているダイビングショップが多く、安心してダイビングライセンスを取得できる国やスポットも紹介しています。ダイビングライセンスは命に関わる資格なので、ぜひ、本記事を参考にしてくださいね。
ダイビングのライセンスとは?
ダイビングライセンスは、ダイビング指導団体が発行している一定のダイビングスキルや知識を有することを証明するものです。通称、「Cカード(Certification Card)」と呼ばれています。
民間のダイビング指導団体が発行しているライセンスなので、公的な資格ではありません。しかし、世界中のダイビングショップでは、安全確保のためCカードの提示が必ずと言っても良いほど求められます。
Cカードを持っていなくても、インストラクターとともに海に潜る「体験ダイビング」はできますが、行動範囲や深さは限られています。ダイビングを趣味にして、自由に海に潜りたいのであれば、Cカードの取得は必須と言えるでしょう。
Cカードを取得できる団体は、世界に多数あります。なかでも、有名な団体を下記にまとめました。
これらの団体が提供している講習を受けると、ダイビングライセンスを取得できます。団体によって少しカリキュラム内容が異なりますが、潜れる海が制限されることはないので安心してくださいね。
また、体験ダイビングの場合は、深くまで潜ることはなく、インストラクターが付きっきりで指導をしてくれるのでCカードは必要ありません。
ダイビングライセンスの種類
ダイビングライセンスを取得すれば、制限なしで潜れるわけではありません。ライセンスには種類があり、それによって潜れる最大水深が決まっています。
ここでは、世界一のシェアを誇るダイビング指導団体「PADI(パディ)」が提供しているCカードの種類を紹介します。
- PADIスクーバダイバー
最大水深:12mまで、費用目安:35,000〜40,000円
- オープン・ウォーターダイバー(OWD)
最大水深:18mまで、費用目安:40,000〜60,000円
- アドヴァンスド・オープン・ウォーターダイバー(AOW)
最大水深:30mまで、費用目安:45,000〜65,000円
ライセンスの種類や指導団体については、「ダイビングライセンスの種類|Cカードの取得メリットや特徴の違いとは」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
海外でダイビングライセンスを取得するメリット4つ
ダイビングライセンスは世界共通。日本国内でも取得できますが、旅行がてらハワイやサイパンなど海外のリゾート地で、ダイビングライセンスを取得する人も増えてきています。
ここでは、海外でダイビングライセンスを取得するメリットを4つ紹介しています。
1.季節を問わずダイビングライセンスを取得できる
海外でダイビングライセンスを取得する場合、常夏のリゾート地が多いので、日本が冬の時期でも、快適な水温で講習を受けることができます。
もちろん日本の冬でもライセンス講習を受けることができますが、冬の海は水温が低く、体力を消耗しやすいのでおすすめできません。日本の場合、海の水温が上がってくる6〜7月がベストシーズンとなります。
寒いのが苦手な方は、海外でのダイビングライセンス取得がおすすめです。 年間を通してダイビングに適した気温の絶景ダイビングスポットを下記にまとめました。
- セブ島
- タイ(タオ島)
- パラオ
- 東ティモール
- ハワイ
- サイパン
2.観光や買い物を楽しめる
海外でダイビングライセンスを取得すると、観光やショッピングも楽しめます。
ライセンスを取得できるスポットは、ハワイやサイパンなど有名リゾート地が多いので、ダイビング以外の遊びも充実しているのが特徴です。
現地の食事を楽しんだり、スパで身体を癒したり、お土産を購入したり、海外のリゾート地を思いっきり満喫できます。ダイビングライセンスも取得できるので、一石二鳥ですよね。
旅行が好きな方は、海外でのライセンス取得がおすすめです。
3.短期集中で完結する
海外でダイビングライセンスを取得する場合、短期集中で完結するメリットがあります。ライセンスの取得講習は、3つのセクションに分かれており、通常3〜4日かかります。
- 学科
- プール(限定水域)講習
- 海洋実習
まず、安全にダイビングするための知識を学ぶ「学科」からスタートするのですが、学科をオンラインで学習するプランがあります。この場合、最短2日でダイビングライセンスを取得できます。
日本にいる間に自分で勉強をしておくと、無駄なくライセンスを取得できるので、現地で遊ぶ時間も増えます。
また、現地で学科を勉強するコースでも、3日あればライセンスを取得できるのが特徴です。
4.珍しい生き物に出会える
海外と日本とでは、生息している生き物が異なります。そのため、海外でライセンスを取得すると、日本では珍しい生き物を観察できるメリットがあります。
ハワイだと、絶滅危惧種に指定されている「ハワイアンモンクシール」、グアムでは「マッコウクジラ」など、日本では出会えないような生き物と一緒に泳ぐことができます。
海外でダイビングライセンスを取得する際の3つの注意点
海外でのダイビングライセンス取得は、講義は英語で行われることがほとんど。ここでは、海外で取得する際の注意点を3つ紹介しています。
1.英語が苦手な方は日本人向けツアーを
海外でのダイビングライセンス講習は、すべて英語で行われるので、英語が苦手な方は厳しいと言えます。
学科講習では、水圧や浮力などの勉強があり、日常会話以外の専門用語も必要となってきます。また、分からないことがあったり、体調不良になったりした場合は、すべて英語で伝えなければいけませんので、リスニングだけでなく、スピーキング力も必要です。
英語が苦手な方は、日本人スタッフが駐在している日本人向けのツアーを選びましょう。日本語で講習を受けることができるので、英語ができなくても問題ありません。
2.費用が高くなる
海外と日本では、ダイビングライセンス取得の費用はさほど変わりません。しかし、海外の場合、フライト代や宿泊代など旅費が高くなることがあります。
たとえば、セブ島の往復航空券は、沖縄より29,400円ほど高くなります。
- セブ島
往復航空券:年間平均 約57,900円
- 沖縄
往復航空券:年間平均 約28,500円
コスパを重視する方は、セブ島やタオ島など物価の安い国を選んだり、フライトが高い繁盛期を避けたりしましょう。
予算を気にせず、とにかくリゾートの絶景を楽しみたいならパラオがおすすめです。
3.余裕をもったスケジュール計画を
ダイビングをしてから、半日〜24時間は飛行機に乗ることができません。
理由として、ダイビング直後は体内に窒素が残っており、その状態で飛行機に乗ると「減圧症」になるリスクが高まるためです。
減圧症は、ダイビングライセンスの講習でも必ず勉強し「潜水病」とも呼ばれています。誰にでも起こりうる病気で、重症の場合、意識不明や死亡する可能性があります。
減圧症を避けるために、ダイビングライセンスを取得した当日のフライトは避けなければいけません。
海外でダイビングライセンスが取得できるスポット
ダイビングライセンスを取得できる団体は、世界に多数あるので、いろいろな国で取得できます。とはいえ、安全にも関わるので、安心できるスポットを選びたいですよね。
ここでは、日本語でダイビングライセンスを取得できる国を紹介しています。また、費用や日数の目安、日本からのアクセス、フライト時間、などもまとめています。ぜひ、参考にしてください。
1.ハワイ
ハワイは、観光やサーフィンだけでなく、ダイビングスポットとしても人気があります。ハワイで最も水温が低いのは1〜3月ですが、平均水温24℃と温かく、年間を通して潜れるのが特徴です。
色とりどりの魚だけでなく、ウミガメ、ザトウクジラ、ジンベイザメ、マンタなどの大物にも出会えるのがハワイの魅力。ウミガメは、ダイバーが近づいても逃げないほど人馴れしており、水中でのツーショット撮影が可能です。
また運が良ければ、絶滅危惧種に指定されているハワイアンモンクシール(アザラシ)にも会うことができます。
ハワイには、日本人が運営しているダイビングショップもあり、日本語でダイビングライセンスを取得できます。ショッピングモールやレストランも充実しているので、観光もダイビングも楽しみたい方におすすめです。
- ベストシーズン:1〜12月
- 年間平均気温:約25℃
- 日本からのアクセス:直行便あり
- フライト時間:約8〜9時間
- ライセンス取得の費用:45,000〜55,000円程度
- 日数:2日間
2.セブ島(フィリピン)
フィリピンのセブ島は、世界有数のダイビングスポットです。海は透明度が高いエメラルドグリーンで、海洋保護区には美しいサンゴ礁が広がっています。
セブ島の海には、数多くの魚が生息しており、イワシやアジの大群、色鮮やかな熱帯魚が泳いでいるところを観察できます。ほかにも、ジンベイザメとの遭遇率も高く、一緒に泳ぐことができるのも魅力のひとつ。
セブ島には、日本人スタッフが駐在しているダイビングショップもあるので、日本語でライセンスを取得できます。
日本より物価が安いので、現地での出費を抑えたい方におすすめです。
- ベストシーズン:12〜5月(乾季)
- 年間平均気温:28℃前後
- 日本からのアクセス:フィリピン航空の直行便あり
- フライト時間:約5時間30分
- ライセンス取得の費用:45,000円程度
- 日数:2〜3日間
3.パラオ
パラオは、1,400種類もの魚が生息しており、世界最高峰のダイビングスポットです。世界複合遺産「ロックアイランド」があり、他にはない独自の生態系を観察できるのも魅力のひとつ。
パラオの海には、絶滅危惧種に指定されている「メガネモチノウオ」など珍しい生き物がたくさん生息しています。また、マンタやウミガメ、カジキ、ジンベイザメなどの大物にも出会うことができます。
またパラオは、かつて日本統治下であり、日本語を公用語としている地域もあります。ダイバーの聖地であるパラオは、日本人が旅行しやすい国でもあるのです。
日本人スタッフが駐在しているダイビングショップも多いので、ダイビングライセンスはすべて日本語で受講できます。ダイバーなら誰もが憧れるパラオでライセンスを取得すると、一生の思い出に残るでしょう。
- ベストシーズン:11〜5月(乾季)
- 年間平均気温:約28℃
- 日本からのアクセス:グアム、台北などを経由
- フライト時間:約6時間
- ライセンス取得の費用:45,000〜55,000円
- 日数:2〜3日間
4.サイパン
サイパンの海は、世界トップレベルの透明度を誇り「マリアナブルー」とも呼ばれています。
サイパンはダイビングの聖地であり、さまざまな生き物を見ることができます。中でも有名なのが、ラウラウビーチで観察できる通称「アジ玉」。アジの群れが巨大化したもので、その迫力は圧倒的です。
また、サイパンには、日本人が運営しているダイビングショップもあるので、すべて日本語で受講できます。
日本から3時間半ほどでサイパンに行けるので、時間をかけずにダイビングライセンスを取得したい方におすすめです。
- ベストシーズン:6〜9月
- 年間平均気温:約27℃
- 日本からのアクセス:デルタ航空の直行便あり
- フライト時間:約3時間半
- ライセンス取得の費用:45,000円程度
- 日数:2〜3日間
5.グアム
グアムは、日本からの直行便も多く、4時間ほどで到着するので、日本人ダイバーが行きやすいスポットです。
グアムで最も有名なポイントは、ブルーホールです。リーフにハート型の穴があいており、そこから差し込む光はまさに幻想的。
また、グアムには300種ほどのサンゴ礁が生息しており、そのまわりを泳ぐ色とりどりの熱帯魚を観察できます。また、マッコウクジラ、マンタ、ハシナガイルカなど珍しい大物に出会えるのも魅力のひとつ。
グアムには、日本人スタッフが駐在しているダイビングショップがあるので、日本語でライセンスを取得できます。ショッピングモールやレストランも充実しているので、観光も楽しみたい方におすすめです。
- ベストシーズン:12〜5月(乾季)
- 年間平均気温:25〜30℃
- 日本からのアクセス:直行便あり
- フライト時間:約4時間
- ライセンス取得の費用:42,000〜55,000円程度
- 日数:2日間
6.タオ島(タイ)
格安でダイビングライセンスを取得したい方は、タオ島を選びましょう。
タオ島は、ほかのリゾート地より費用が安く、36,000円程度でライセンスを取得できます。日本より物価が安く、宿泊代も3泊で10,000円以下に抑えることができます。
タオ島の海には、色鮮やかな生き物が数多く生息しています。天敵があまりいないせいか、魚に近づいても逃げないのが特徴です。生き物と距離の近いダイビングが楽しめます。
また、タオ島には、日本人が運営しているダイビングショップがあるので、日本語でライセンス取得できます。格安でダイビングライセンスを取得したい方におすすめです。
- ベストシーズン:3〜10月
- 年間平均気温:約28℃
- 日本からのアクセス:タイ・バンコク経由
- フライト時間:約7〜8時間
- ライセンス取得の費用:36,000円程度
- 日数:2〜4日間
まとめ|海外でダイビングライセンスを取得しよう
ダイビングライセンスは、世界共通なので、日本だけでなく海外でも取得できます。海外のダイビングショップでは、基本的に講義は英語で行われます。
英語が苦手な方は、日本人スタッフが駐在しているショップを選びましょう。日本語で受講を受けることができます。この場合、公式サイトも日本語に対応していることが多いので、予約する際も英語を使いません。
気になる国のダイビングショップを見つけたら、ライセンス取得のコースに申し込みましょう。海外でのライセンス取得は、日本では珍しい生き物に出会えたり、短期集中で完結したりと、メリットがたくさん。ぜひ、挑戦してみてくださいね。
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