ダイビングのライセンスを取得すると、体験ダイビングでは行けなかった深さまで潜ることができます。水深によって見える景色や生き物は変わるので、海中絶景をもっと楽しめるようになるでしょう。
本記事では、ライセンスの種類、相場費用、必要な日数、ショップの選び方など、ライセンス取得に必要な情報をすべて解説しています。ぜひ参考にしてくださいね。
※記事内1USドル=108円で計算しています。
ダイビングのライセンス(Cカード)とは
ダイビングのライセンスは「Cカード(正式名称:Certification Card)」と呼ばれており、世界的に認められたダイビング指導団体が発行しています。
下記に、Cカードを取得できるダイビング指導団体をまとめました。
Cカードは、ダイビングの知識・技能の習得を示す認定証のことで、普通自動車免許のような国が認める資格ではありません。
とはいえ、世界共通なので一度取得すれば世界各国の海でダイビングできます。
ダイビングライセンスの種類と費用
ダイビングのライセンスといってもいくつか種類があります。さらに、その名称は各団体が独自に決めているので、若干異なる場合があります。
▼ダイビングのライセンスまとめ
ここからは、世界一のシェアを誇る団体「PADI(パディ)」を例に挙げて、ダイビングライセンスの種類を具体的に紹介していきます。
1. オープン・ウォーター・ダイバー(OWD)
条件を満たせば誰でも取得できるダイビングのライセンスで、水深18mまで潜れるようになります。ダイビングの基本的な知識・スキルを学べるコースです。
【基本情報】
- 水深最大18mまでダイビング可能
- 条件:15歳以上
- 取得に要する期間:2日間~4日間
- 取得費用の目安:およそ40,000円~60,000円
2. アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー(AOW)
「オープン・ウォーター・ダイバー」の取得後に受けられる、さまざまな種類のダイビング技術が求められるコースです。ライセンスの取得後は水深30mまで潜れるため、ダイビングの幅を一気に広げられます。
講習は24種類のアドベンチャー・ダイブのうち、3種類を選択して受ける内容。それに加えて、「水中ナビゲーション」「ディープダイブ」の講習が必須となるため、全5種類のダイビング技術が必要です。
中級者~上級者を目指す方は、ぜひ受講を考えてみましょう。
【基本情報】
- 水深最大30mまでダイビング可能
- 条件:15歳以上、オープン・ウォーター・ダイバー(OWD)取得者
- 取得に要する期間:3日間~5日間
- 取得費用の目安:およそ45,000円~65,000円
3. レスキュー・ダイバー(RED)
水中で発生する問題の予防・管理方法を学ぶコースです。自分自身の安全性が高まるだけではなく、救助や救命方法も講習内容に含まれているため、一緒に潜る仲間の安全も守れるようになります。
このコースの受講には、「アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー」のライセンス、もしくは他団体の同等のライセンスが必要です。頼りがいのあるバディを目指す方は、ぜひ取得を目指してみましょう。
【基本情報】
- 水中で発生する問題の予防・管理方法を学ぶコース
- 条件:15歳以上、「アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー」取得者もしくは他団体の同等のライセンスが必要。
- 取得に要する期間:2日間~3日間
- 取得費用の目安:およそ55,000円~68,000円
4. マスター・スクーバ・ダイバー(MSD)
「レスキュー・ダイバー」を修了した場合に受けられる、アマチュア最高峰のライセンスが発行されるコースです。
50以上のダイビング経験の証明が必要になりますが、ダイビングのスキルに加えてトラブルの予防・対処能力も備わっていることを示すので、名誉あるライセンスといえるでしょう。
PADIのこのランクまで達成しているダイバーは、全ダイバーの2%ほどとされています。上記のほかにもPADIには、各分野をさらに詳しく学べる「スペシャルティ・コース」や、プロのダイバーを目指す「プロフェッショナル・コース」などがあります。
ダイビングの具体的な目的をしっかりと決めたうえで、その目的にぴったりなライセンスを取得するようにしましょう。
ダイビングライセンス取得の流れ
ダイバーのスタート地点は「オープン・ウォーター・ダイバー」のライセンスを取得することから始まります。このライセンスを取得すると水深18mまで潜ることができます。
下記に、オープン・ウォーター・ダイバーを取得する流れをまとめました。
- 学科講習:ダイビングに必要な知識を身につけます。インストラクターの講習を受ける方法と、DVDを使って自宅で学習する方法の2種類あります。
- プール講習:ダイビングで使うスキルをプールなどの限定水域で学びます。
- 海洋実習:限定水域で習得したスキルを海で実践します。
これらの講習・実習をすべてクリアし、オープン・ウォーター・ダイバーのライセンスを取得するためには2〜4日間必要です。
ダイビングライセンスを取得できる場所
ダイビングのライセンスを取得できる場所は、主に2種類あります。
- 都市型:大都会や地方都市にある海から離れたショップ
- リゾート現地型:沖縄などリゾート地にあるショップ
ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説しています。
1. 都市型ショップ
都市型ショップは、大都会の街中にあるダイビングショップのことをいいます。
自宅から通いながらダイビングライセンスを取得できるのが特徴です。ショップから海まで車で送迎してくれることが多いので、交通費も最小限に抑えることができます。
また、ライセンス取得後もスキルアップやダイビング器材について相談しやすいので、不安のないダイビングライフが送れるでしょう。
通いながらライセンスを取得したい方、ライセンス取得後も密にコミュニケーションをとりたい方は都市型ショップを選びましょう。
▼都市型ショップの特徴
- 通いでライセンス取得できる
- ショップから海までの送迎あり
- 取得日数は最短1ヶ月以内
- ライセンス取得の相場費用は高め
2. リゾート現地型ショップ
リゾート現地型ショップは、沖縄やハワイなどリゾート地にあるダイビングショップのことをいいます。
初心者が最初に取得する「オープン・ウォーター・ダイバー」であれば、最短2日で取得可能です。そのため、最短でライセンスを取得したい方に向いています。
ただ、短期間で講習や実習を受けるので、それなりに体力が必要です。さらに、テストに合格しなかった場合は延泊しなければならないので注意しましょう。
また、日本のリゾート地だけでなく海外でもライセンス取得が可能です。方法は「ダイビングライセンスを海外で取得する方法を解説|おすすめの国も紹介」で解説しているのでぜひ参考にしてください。
▼リゾート現地型ショップの特徴
- 最短でライセンス取得できる
- タイトスケジュールなので体力必須
- 飛行機代や宿泊費などが別途必要
- ライセンス取得の相場費用は安い
ライセンス別に紹介!絶景を楽しめるおすすめのダイビングスポット
体験ダイビングは水深6mほどしか潜れませんが、ライセンスを取得すると水深18〜30mまでダイビングできるので見える景色が一気に変わります。
ここでは、ライセンスを取得したら見ることができる海中絶景を紹介しています。どれもおすすめスポットなので、ライセンス取得後に行ってみてくださいね。
上級者向けだが海況によっては初心者もOK|パラオ・ブルーコーナー
ダイバー憧れの地として知られているリゾート地・パラオ。なかでも、有名なダイビングスポットとして多くのダイバーに愛されているのが「ブルーコーナー」です。
サメなどの大物から小さい魚たちまで、たくさんの生き物を見ることができるので、水族館の水槽の中をダイビングしているような感覚になります。
ブルーコーナーは、潮の流れが速いので、上級者向け(アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー)だと言われています。
海況によっては、オープン・ウォーター・ダイバー(一番最初にとる資格)があればチャレンジできる可能性があるので、ガイド同伴のもと挑戦するのも良いでしょう。
また、上記のダイビングライセンスは、パラオの現地でも取得することができます。
- PADI(パディ)オープン・ウォーター・ダイバー
3日間コース(学科・海洋実習)、550USドル(約59,400円〜) - PADI(パディ)アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー
2日間コース(学科・海洋実習)、420USドル(約45,360円〜)
ザトウクジラなどの大物にも出会えるスポット|沖縄・慶良間諸島
沖縄県・慶良間諸島の海は、癒しのダイビングエリアです。そんな慶良間諸島は、平成26年3月5日(サンゴの日)に31番目の国立公園として指定されました。
島の周辺には、透明度の高い海の中に真っ白な砂地が広がり、高密度に生息するサンゴ礁と色鮮やかな魚たちが群れて泳ぐ光景を目にできるため、まさに癒し効果抜群な絶景スポットです。
さらに、ザトウクジラという大物狙いなスポットもあるので、ダイビングも十分に楽しめます。
沖縄県・慶良間諸島には、ダイビングライセンスを取得できるショップもあるので挑戦してみましょう。
- PADI(パディ)オープン・ウォーター・ダイバー
3日間コース(学科・海洋実習)、〜70,950円(税込)
天然記念物が生息!初心者におすすめのスポット|神奈川・福浦
神奈川県・真鶴半島の西湘エリアに位置する「福浦」。福浦の海は、県の天然記念物に指定されているサンゴイソギンチャクが生息していることで有名です。
その他には、クマノミやミツボシクロスズメダイなどの華やかな魚たち、夏にはアオリイカの産卵、冬にはダンゴウオなどを観察でき、季節によって異なるさまざまな景観を楽しめます。
また、福浦では砂浜から海に入っていくビーチダイビングが可能なのもうれしいポイント。いきなり足のつかない深い海に入るボートダイビングより、オープン・ウォーター・ダイバーを取得したばかりの初心者にもおすすめです。
西湘エリアでは、オープン・ウォーター・ダイバーを取得できるダイビングショップもあります。近くに住んでいる方は、日帰りもOKなのでぜひチャレンジしてみてくださいね。
- PADI(パディ)オープン・ウォーター・ダイバー
3日間コース(学科・海洋実習)、49,800円(税込)
ダイビングのライセンス取得に関するよくある質問
最後に、ダイビングのライセンス取得に関するよくある質問をまとめてご紹介します。
年齢制限はありますか?
ライセンスは10歳から取得可能です。上限はないので何歳になっても取得できます。
PADIの場合、10〜11歳まで取得できる「ジュニア・ダイバー認定」があり、保護者やインストラクター同伴であれば水深12mまで楽しめます。
12〜14歳になると「ジュニア・オープン・ウォーター・ダイバー」というライセンスが取得可能です。この場合、認定ダイバー同伴のもと水深18mまで潜ることができます。
費用相場を教えてください
費用は、ライセンスの種類や取得場所によっても異なります。ライセンス取得だけであれば、40,000〜68,000円が費用相場となります。
何日間かかりますか?
ライセンス取得は、通いなのか、合宿でとるのかによっても必要な日数が異なります。下記に平均日数をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
ライセンスは海外でも使えますか?
ダイビングのライセンスは世界共通です。日本で取得したライセンスを使って、海外でダイビングすることもできます。
また、ライセンスは海外でも取得可能なので、旅行がてらライセンスをとる方も多くいます。取得できる国は「ダイビングライセンスを海外で取得する方法を解説|おすすめの国も紹介」で紹介しています。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
持病があるのですがライセンス取得できますか?
持病があってもライセンス取得できる場合と、残念ながらできない場合があります。
下記に当てはまる方は、ライセンス取得(ダイビング)できません。
- 肺気腫
- 喘息
- てんかん
- 糖尿病など
下記に当てはまる方は、医師と相談のうえ許可がでた場合のみ可能です。
- 高血圧
- 低血圧
- 狭心症
- 難聴など
下記の症状がある方は、完治するまでライセンス取得(ダイビング)できません。
- 骨折
- 風邪や熱
- 鼻詰まりなど
持病や身体に不調がある方は、医師と相談して決めることをおすすめします。
どの団体が良いのでしょうか?
ライセンス取得は、世界的に広く認められている「Cカード」が取得できるダイビング指導団体がおすすめです。下記におすすめの団体をまとめました。
- PADI(パディ)
- NAUI(ナウイ)
- BSAC(ビーエスエーシー)
- SSI(エスエスアイ)
- CMAS(クマスまたはシーマス)
団体の違いは「ダイビングライセンスの種類|Cカードの取得メリットや特徴の違いとは」で解説しています。団体を選ぶときの参考にしてください。
ショップ・スクールの選び方が分かりません
下記に、ショップを選ぶときにチェックしたいポイントをまとめました。
- ホームページは分かりやすいか
- 指導団体を明記しているか
- SNSやブログなどを更新しているか
ショップのブログを見ると、自分と雰囲気が合いそうか、イストラクターはどんな人なのか、分かる場合があるので必ずチェックしましょう。
まずは、体験ダイビングに参加してショップの雰囲気を感じてみるのもおすすめです。
女性1人でもライセンス取得できますか?
女性1人でも、男性1人でも、ライセンス取得できます。
沖縄などのリゾート地に1人で行き、ライセンスを取得する方はたくさんいるので安心してくださいね。女性1人は不安だという方は、女性インストラクターが多いショップを選ぶことをおすすめします。
視力が悪くコンタクトやメガネを使っています。ライセンス取得できますか?
度付きのマスク(水中メガネ)があるので、視力が悪くてもライセンス取得できます。
水中では、マスク(水中メガネ)を通すと、実際より物が大きく近く見えます。そのため、視力0.5程度であれば、裸眼でダイビングすることも可能です。
視力とマリンアクティビティに関しては「シュノーケリング中にコンタクトは使える?おすすめの度付きマスクや注意点を紹介」で詳しく解説しています。
泳げなくてもライセンス取得できますか?
泳げなくてもダイビングライセンスは取得できます。
水泳の息継ぎが苦手で…と心配する方もいますが、ダイビングはレギュレーターと呼ばれる呼吸装置をつけるので問題ありません。
また、ダイビングのときに着用するウェットスーツは浮力があります。海でプカプカ浮くことができるので、泳げなくてもダイビングを楽しめたという方は多くいます。
ただ、顔を水につけるのが怖くてできないという方は厳しいかもしれません。
まとめ|ダイビングライセンスを取得して海中絶景を楽しもう
ダイビングは、非日常世界を楽しむことができるマリンスポーツです。陸上では見ることのできない、珍しい生き物や海中絶景を堪能できるのが魅力といえるでしょう。
また、ライセンスは世界共通なので、日本だけでなく海外でもダイビングできます。健康であれば何歳になっても潜れるので、一生続けられる趣味となります。
ダイビングのライセンスを取得して、美しい海を楽しんでくださいね。下記では、死ぬまでに泳ぎたい絶景スポットを紹介しています。潜ってみたい海を探してみてください。
アクティビティの関連記事
PC_ART_Recomend