カヤックは海や湖、川など、さまざまなフィールドで水上散歩を楽しめるアクティビティ。水上からはいつもとは違う景色を眺められますし、大自然に囲まれたスポットで楽しむことが多いため、心を存分に癒やしてくれます。
しかし、せっかくカヤックに興味を持っても、転覆や操作などに不安を感じている初心者は多いはず。そのような方でも、安全に楽しめるカヤック体験やスポットが見つかれば、スムーズに旅行の計画を立てられるでしょう。
そこで今回はカヤック体験の魅力や注意点、初心者におすすめな体験スポットをご紹介します。子ども向けのツアー情報もあるので、家族旅行の計画を立てている方もぜひチェックしてみてください。
カヤック体験とは?
カヤック体験とは、おもに旅行会社やツアー会社、現地のショップなどが開催している初心者向けの体験プランのこと。プランにもよりますが、最初に基本的な練習ができるものや、難易度の低いコースが選ばれているプランが多いので、子どもや未経験者でも十分に楽しめます。
開催場所は海や川、湖が中心であり、日本国内はもちろん、海外でもさまざまなスポットで開催されています。大自然の中で開催されるケースが多いため、とくに「自然と触れ合いたい!」と感じている方にはぴったりです。
カヤック体験の楽しみ方
カヤック体験の楽しみ方は、単に漕いで進むだけではありません。大自然の中でゆったりと流れる時間を過ごせますし、水上から絶景を眺められるスポットも多いため、心が存分に癒やされます。
なかには、ナイトカヤックで美しい星空を見れるプランや、可愛らしい生き物を観察できるプランも。プランやスポットごとに魅力が変わる点も、カヤック体験の醍醐味といえるでしょう。
水上はエンジンボートや船舶でも進めますが、カヤックではほとんど音を立てることなく移動できます。そのため、とくに流れが穏やかなスポットでは、鳥や虫の鳴き声、風の音などをじっくりと楽しめます。
また、初心者向けの安全なコースから、流れの速い本格的なコースまでさまざまなプランがあるため、初心者~上級者まで幅広く楽しめるでしょう。
カヤック体験に必要な持ち物
基本的にカヤック体験では、シーカヤックやパドル、ライフジャケットなどの道具・装備はあらかじめ用意されています。そのため、本格的な道具・装備を持っていない方でも、事前に予約するだけでカヤックを楽しめます。
ただし、望ましい服装や便利なアイテムについては、事前に知っておくことが大切です。そこで以下では、カヤック体験での望ましい服装や、用意しておくと便利なアイテムをまとめました。
望ましい服装
カヤック体験では体を動かしてパドルを漕ぐので、身動きのしやすい服装を選ぶことが大切です。夏場であれば水着を着用したり、プランによっては服装が指定されていることもあるため、事前にツアー情報をチェックしておきましょう。
また、ある程度は水に濡れることも想定して、速乾性や保温性の高い服装も選ぶこともポイント。水を吸いやすいデニムや綿ではなく、ナイロンやポリエステルといった化学繊維の服装がおすすめです。
寒い季節に参加する場合は、レインウェアや防水ジャケットなどを着用し、急激な体温低下を防ぐようにしましょう。
ポイント
- 身動きしやすい服装(水着など)とライフジャケット
- 速乾性や保温性の高い服装がおすすめ
- 寒い季節はレインウェアや防水ジャケットで体温低下を防ごう
服装以外に用意しておきたい持ち物
波が穏やかなスポットであっても、カヤック体験では潮の満ち引きや水しぶきによって、ある程度は体が濡れてしまいます。体調を崩す原因にもなるため、基本的に着替えとタオルは持参してください。
また、水上では頭上からの直射日光に加えて、水面に反射する日光も浴びることになります。日差しが非常に強力なスポットも珍しくないので、日焼け対策も万全にしておくことが大切です。
日焼け対策に活用できるアイテムとしては、帽子やサングラス、日焼け止めクリームなどが挙げられます。とくに日差しが強い場所では、UVカット機能が備わっている長袖のシャツなども活用しましょう。
また、カヤック体験中に綺麗な風景を撮影したい方は、カメラ(防水機能がおすすめ)の準備や、水中に顔をつけて海の中にいる魚たちを目にしたい方は、水中メガネも持参しておくのをおすすめします。
もしもの時のカヤックの転覆などで、持ってきた財布やスマホが濡れてしまうのが不安な方は、貴重品用の防水ケースを用意しておくと安心です。
ポイント
- 水濡れに備えて着替えとタオルを用意
- 日焼け対策として帽子やサングラス、日焼け止め
- 防水シューズや防水ハットなどもおすすめ
- 防水機能のカメラ、貴重品用の防水ケース
- 海の中を覗き込むための水中カメラ
下記の記事では、カヤック体験で必要な準備の「最適な服装と持ち物」について、さらに詳しくまとめてあります。どうぞこちらも参考にしてください。
カヤック体験の注意点
カヤック体験では、自身のスキルに適したフィールドを選ぶことが大切。とくに波がある海や、流れのある川では漕ぐ力が必要になるため、初心者の方には湖や内海がおすすめです。
ただし、カヤックには転覆のリスクがあり、穏やかなフィールドでも確実に安全とはいえません。とくに水温が低いスポットでは、転覆によって低体温症のリスクにさらされる恐れもあるため、常に安全を意識する必要があります。もし転覆してしまった場合、特に泳ぎが苦手な人であれば「大丈夫かな…」と、不安に感じられるかもしれませんが、カヤックを体験する人は全員ライフジャケットを着用することになっているため、海の中に沈んで溺れるようなことはありません。その点はご安心ください。
ただ、カヤック体験を検討して不安を感じている未経験者などは、上級者やインストラクターが付き添ってくれる体験プランを検討してみるのがいいでしょう。
また<カヤック体験に必要な持ち物>で触れたとおり、カヤック体験中では、直射日光にさらされるため、熱中症に注意が必要です。真夏の暑い時期ではなくても、熱中症になることがあるので、日よけ対策やこまめな水分補給を心がけるようにしてください。
ポイント
- 初心者の方には湖や内海がおすすめ
- 転覆の場合を考えて、安全意識を心がけた行動(ライフジャケットの確実な着用など)
- 初心者はインストラクターが付き添ってくれる体験プランを検討する
- 熱中症に注意して、日よけ対策やこまめな水分補給をする
カヤック体験のおすすめスポット【5選】
ここからは、カヤック体験のおすすめスポットをご紹介していきます。カヤックはスポットごとに魅力が変わるため、具体的な目的を意識しながらチェックしていきましょう。
1. 長瀞(埼玉県)
長瀞は埼玉県秩父郡にある、関東を代表する景勝地のひとつ。現在でも手つかずの自然が残されており、美しい山並みや川に加えて、天然記念物の「岩畳」が有名です。
都心から約90分でアクセスできる距離ですが、大自然に囲まれたスポットなので、都会の喧騒を忘れさせてくれます。四季折々の花が咲き、季節ごとに景観が大きく変わってくる点も大きな魅力です。
長瀞はカヤック体験が充実しており、お手軽に体験できるプランから、スクール形式のプランまで幅広く見られます。初心者はもちろん、なかには4歳から参加できるプランもあるので、家族旅行の行き先としてもぴったりでしょう。
フィールドは川になりますが、初心者向けの体験では流れが穏やかなエリアでカヤックを楽しめるため、未経験者でも安心です。また、長瀞には川魚や昆虫が多く生息しており、可愛らしい生き物も観察できます。
【基本情報】
- エリア:埼玉県秩父郡
- 体験費用の目安:4,500円~9,000円
- 東京からのアクセス:車で約1時間30分、電車で約1時間10分~1時間30分
2. みなかみ(群馬県)
みなかみは広大な利根川が流れる、群馬県の北部に位置するスポット。このエリア一帯は「奥利根」とも呼ばれており、山々や多様な植物など、周辺はまさに大自然に囲まれています。
秋に紅葉を楽しめるのはもちろん、春には一面の桜、そして冬には静寂の雪景色となるため、訪れる季節によって違った景色を楽しめます。生活音などの余計な音が一切なく、静寂の中で響く生き物の鳴き声や、川のせせらぎに心が癒やされるスポットです。
みなかみのカヤック体験は、流れが穏やかな奈良俣湖や洞元湖などで開催されています。いずれのスポットも大自然に囲まれており、無音の中でゆったりとした時間を過ごせるため、心も体もリラックスさせてくれます。
また、早朝散歩や探検など、さまざまなプランが用意されている点も魅力的なポイント。目的に応じて体験プランを選べますし、なかには3歳~4歳の小さなお子様が参加できるプランもあるので、家族全員で存分に楽しめます。
じっくりとカヤックを体験したい方は、普段は行けない湖奥地の原生林地帯までたどり着ける、1日コースの体験プランを検討してみましょう。
【基本情報】
- エリア:群馬県利根郡みなかみ町
- 体験費用の目安:4,500円~9,000円
- 東京からのアクセス:車で約1時間30分、電車で約2時間30分~3時間
3. 石垣島(沖縄県)
石垣島は沖縄本島の南西、約400kmに位置する島です。島には南国特有の風景が広がっており、抜群の透明度を誇る青い海やマングローブ林など、心を癒やしてくれる美しい自然に囲まれています。
ほかにも海洋生物や夜光虫など、石垣島ではさまざまな生き物と触れ合えます。気温が1年中高く、オールシーズン旅行の計画を立てられる点も石垣島の大きな魅力でしょう。
石垣島はきれいな海も魅力的ですが、マングローブ林の周辺で開催されるカヤック体験が多く見られます。マングローブには南国特有の植物が自生しており、数多くの植物に囲まれているため、まさに「冒険」や「探検」のような気分を味わえるでしょう。
また、夕方~夜間に開催されている、美しいサンセットや星空を眺めるプランも魅力的。運が良ければ流れ星や夜光虫を見られるなど、唯一無二の感動的な体験ができます。
【基本情報】
- エリア:沖縄県石垣市
- 体験費用の目安:5,000円~10,000円
- 東京からのアクセス:羽田空港からは約3時間、成田空港からは約4時間
4. パラオ
パラオはグアムの南西1,300kmの位置に浮かぶ、まさに南国の楽園です。キノコのような形をした「ロックアイランド」や、乳白色の幻想的な海が広がる「ミルキーウェイ」など、パラオには世界的に有名な景勝地が点在しています。
また、パラオは人工的な明かりが少ないため、月明かりや夜光虫が幻想的に映る点も大きな魅力。ほかにも見どころが多く、朝~夜までさまざまなアクティビティを楽しめるスポットです。
パラオのカヤック体験は、ロックアイランドやマングローブの周辺で開催される「マリンレイク」のコースや「アイライ」の青の洞窟のプランが中心です。大自然を間近で体感できるプランが多く、ボートでは進めないポイントにもたどり着けるので、カヤックならではの貴重な体験ができるでしょう。
また、なかには水上から美しい満月や、星空を眺められるナイトカヤックのツアーもあります。潮騒の音をBGMにしながら輝く月や星空を見れば、心が存分に癒されるはずです。
パラオの海は圧倒的な透明度を誇っており、ダイビングやシュノーケリングスポットとして人気の高い国ですが、周辺のビーチや美しい島々を眺めながらカヤックに乗ってただ浮かんでいるのも、おすすめの楽しみ方です。
【基本情報】
- エリア:パラオ(ミクロネシア)
- 体験費用の目安:6,000円~12,000円
- 東京からのアクセス:成田空港から経由便で約8時間~10時間(時期によっては、チャーター便による直行便あり)
下記の記事では、これまで紹介したパラオのカヤックツアーの具体的な申し込み方法やツアーの詳細情報について掲載しています。また、カヤックツアーのほかにもある、パラオのさまざまなオプショナルツアーについても紹介しています。ぜひ興味のある方は、そちらも参考にしてみてください。
5. ニュージーランド
ニュージランドは南半球に位置する、南北2つの島で形成されている国です。山岳美や青く透きとおった海が美しく、とくに南島はマリンアクティビティが充実しています。
周辺の海には多くの海洋生物が棲みついており、運がよければイルカなどの大型生物に出会えることも。また、地域によっては1年中気候が温暖なので、季節に関係なく旅行計画を立てられます。
ニュージーランドのカヤック体験は、エリアによって楽しみ方が異なります。北島の都市「オークランド」は湾になっているため、穏やかな海でのカヤックを楽しめます。
一方で南島の都市「ネルソン」の魅力は、透きとおった青い海。また、南島は山岳地帯が多いので、まさに大自然に囲まれながらのカヤックを体験できるでしょう。
イルカやアザラシなど、海洋生物と出会える可能性がある点もニュージーランドの魅力です。いずれのエリアでも初心者向けのプランが見られるため、お子さまや未経験の方でも安心して楽しめます。
【基本情報】
- エリア:南西太平洋
- 体験費用の目安:8,000円~20,000円
- 東京からのアクセス:成田空港から直行便で約11時間
カヤック体験は目的にぴったりなプランを選ぼう
今回ご紹介したように、カヤック体験はプランによってフィールドや楽しみ方が異なります。単に水面を移動するだけではなく、冒険や探検、美しい景観を楽しめるツアーなどがあるので、目的にぴったりなプランを選ぶようにしましょう。
また、子どもや未経験の方が参加する場合は、流れが穏やかなスポットや初心者向けのプランを選ぶと安心です。
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