見たことのない大きな魚群や色鮮やかなサンゴ礁など、非日常的な景観を楽しむことができるダイビング。人生で一度は体験してみたいですよね。
しかし、初心者だけれどもダイビングに挑戦できるのか、機材を持っていないけれどもレンタルすることができるのか、泳ぎに自信がなくどれくらいの深さまで潜るのか、など初心者にとっては様々な不安がつきまといます。
本記事では、初心者の不安を解消するため、ダイビングに関する注意事項、ダイビングを楽しむコツについて解説。また、ダイビングに必要なもの、体験ダイビングの選び方、おすすめスポットも紹介しています。
ダイビングに挑戦しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ライセンスなしの初心者もダイビングを楽しめる!
ダイビング初心者の方は、ライセンスや機材を持っていなくても、ダイビングショップやダイビングツアーを利用することで、インストラクターの指導のもとに、安全にダイビングを楽しむことができます。
ここでは、ダイビングに必要なものや、ライセンスの必要性・初心者が潜れる深さなど、ダイビングの基礎的な知識について解説をしていきます。
ダイビングに必要なもの
ダイビングは、水中で呼吸をしながら、海中景観を楽しむマリンアクティビティです。
レギュレーターなど呼吸をする装置、空気を蓄えるタンクなど重器材を扱います。下記に、ダイビングに必要なものをまとめました。
- ウェットスーツ
- マスク(水中メガネ)
- シュノーケル
- フィン(足ヒレ)
- レギュレーター(呼吸装置)
- オクトパス
- ゲージ
- タンク
- BCD(ダイビング用ジャケット)
- ウエイトベルト
- ブーツ
- グローブ
これらの必要器材は、すべてレンタルできるので安心してください。ほとんどの場合、レンタル代はツアー料金に含まれています。ウェットスーツの下に着る水着や、日焼け止めなどは持参しましょう。
また、同じく海の中を楽しむスポーツに「シュノーケリング」がありますが、ダイビングは重器材を扱い、海のより深くまで潜ることができます。
違いの詳細については「シュノーケリングとダイビングの違いを徹底比較!選び方も解説」にまとめています。ぜひ、参考にしてくださいね。
なお、呼吸の仕方やタンクの扱い方などは安全に関わる事柄なので、海に入る前にインストラクターが丁寧に指導を行なってくれます。
不安な方は体験ダイビング(水深12mまで)から試そう
基本的にダイビングは、ライセンスが必要ですが、取得しなくてもトライアルで挑戦することができます。ライセンス無しで海に潜れるのは「体験ダイビング」と呼ばれる、初心者向けのツアーです。
体験ダイビングは「お試し」なので、潜れる深さは水深12mまでと制限があります。インストラクターが付きっきりで指導してくれるのがメリットで、初心者の方も安心してダイビングを楽しめます。
ライセンスを取得すると、水深12mより深く潜ることができます。ライセンスを取得するかどうかは、体験ダイビングに参加して決めると良いでしょう。
ライセンス取得の費用や日数については「ダイビングライセンスの種類|Cカードの取得メリットや特徴の違いとは」で詳しく解説しています。
泳ぐのが苦手でもダイビングを楽しめる
泳ぐのが苦手な方も、ダイビングを楽しむことができます。
ダイビングでは、呼吸をするための装置「レギュレーター」をくわえて潜るので、水泳のように息継ぎをする必要がありません。実際、ダイバーのなかには、水泳が苦手だという方が多くいます。
体験ダイビングでは、インストラクターの方が付きっきりで指導してくれるので、初心者も安心して潜ることができます。苦手意識がある方は、陸から海に入る「ビーチエントリー」のダイビングを選ぶと良いでしょう。足がつく場所から始められるので、船で沖合まで移動する「ボートエントリー」よりも恐怖心がありません。
また、ダイビングには年齢制限があります。大抵10歳以上であれば、体験ダイビングに参加できますが、年齢制限が厳しいショップもあるので確認するようにしてください。参加条件が12歳以上というところもあれば、8歳でダイビングできるところもあります。
子どもが小さく、泳げない場合は、ダイビングではなくシュノーケリングを選びましょう。2歳から参加できるシュノーケリングツアーがあるので、家族全員で楽しむことができます。
初心者でも体験ダイビングを楽しめる3つのコツ
ここでは、体験ダイビングを楽しむコツを紹介しています。体験ダイビングのツアーを選ぶときの参考にしてくださいね。
1.泳ぐのが苦手な人はビーチエントリーを選ぼう
ダイビングは、陸から海に入る「ビーチエントリー」と潜るスポットまで船で行く「ボートエントリー」の大きく2種類に分けられます。
泳ぐのが苦手な方は、ビーチエントリーの体験ダイビングを選びましょう。
ビーチエントリーは、陸から歩いて海に入るので、浅いところから深いところへ、徐々に身体を慣らすことができます。ただし、器材を背負って移動する時間が長いため肩が凝りやすい、潜るスポットが限られているなどのデメリットがあります。
ボートエントリーは、船で沖合まで移動して、そのままエントリーするので、泳ぐのが苦手な方は不安に感じるかもしれません。とはいえ、ボートエントリーは、器材を背負って移動する時間が短かい、ビーチからは行けない魅力的なダイビングスポットで潜れるなどのメリットがあります。
泳ぐのが苦手な方は「ビーチエントリー」、ラクに移動したい方は「ボートエントリー」がおすすめです。
2.サービスが充実しているショップを選ぼう
初心者は、レンタルなどサービスが充実しているダイビングショップを選びましょう。
一般的に、体験ダイビングをするときは、ダイビングショップのツアーを予約します。ダイビングショップによって、内容が異なるので、予約するときはどんなサービスがあるのかチェックしてください。
- ホテルまでの送迎
- シャワー室の有無
- 更衣室の有無
- ロッカーの有無
シャワーが外にあったり、ロッカーに鍵がついていなかったり、着替えが男女同じ部屋ということもあります。快適にダイビングをするためにも、事前に確認しておくようにしましょう。
3.水中カメラでダイビングの思い出を残そう
水中カメラで思い出を残すのも、ダイビングを楽しむコツのひとつです。
普段はなかなか見られない海の生き物、フォトジェニックな写真を撮ることができます。ただ、ダイビングが初めての方は、潜るのに精一杯で余裕がない場合もあるので、無理をしない程度に撮影してください。
水中カメラは、家電レンタルサービスやダイビングショップでレンタル可能です。1日のレンタル代は2,000〜3,000円程度と、安く借りることができるので活用しましょう。
おすすめの水中カメラは「ダイビングの幅を広げる水中カメラの基礎知識|おすすめモデルや器材一覧も」で解説しています。レンタルや購入を検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。
ダイビング初心者におすすめ!国内・外の絶景スポット5選
ここでは、ダイビング初心者におすすめのスポットを紹介しています。体験ダイビングをする場所を選ぶときの参考にしてください。
1.静岡|熱海・伊豆半島
温泉街のイメージがある熱海ですが、東日本最大のダイビングスポットです。船に乗って海に入る「ボートエントリー」がメインとなります。
体験ダイビングでは、キンギョハナダイなど、色鮮やかな魚を見ることができます。
また、アクセスもしやすいのが魅力で、東京から日帰りで潜ることも可能。ダイビングが終わったら、温泉で疲れを癒すこともできます。
熱海は、近場でダイビングしたい方におすすめのスポットです。
2.沖縄|石垣島
石垣島は、ダイビングのメッカと呼ばれているほど、人気のあるダイビングスポットです。一面に広がるサンゴ礁や、色鮮やかな魚など見所が多く、竜宮城のような海中景観がダイバーを魅了しています。
特に、川平エリアは、マンタと出会える確率が非常に高く、その遭遇率は世界トップクラス。体験ダイビングでもマンタが出没するスポットに行くことができます。石垣島は、マンタと出会いたい方におすすめのスポットです。
3.沖縄|西表島・バラス島
海外のような島に行きたい方は、西表島にある「バラス島」がおすすめです。
バラス島は、サンゴのカケラでできた無人島で、奇跡の島とも呼ばれています。アクセスは、上原湾から船で5〜10分程度と、西表島の近くにあります。
透明度が非常に高く、世界屈指のサンゴ礁や、ウミガメなどの大物にも出会うことができます。また、5種類のクマノミを一度に見ることができる人気スポットもあるのが魅力です。
4.海外|セブ島(フィリピン)
フィリピンのセブ島は、日本より格安で体験ダイビングができる人気スポットです。アクセスも良好で、成田空港から直行便で4時間30分〜5時間30分ほどでセブ島に到着します。
セブ島は、透明度が高いエメラルドグリーンの海が魅力で、色鮮やかなサンゴ礁、クマノミ、イワシの群れなど、さまざまな海洋生物を観賞できます。セブ島には海洋保護区もあり、手付かずの自然が残る海をダイビングすることも可能。
また、一人で参加できる体験ダイビングのツアーも多く、一人でダイビングしたい方にも人気のあるスポットです。日本人スタッフが駐在しているショップも多いので、安心してダイビングを楽しむことができます。
5.海外|パラオ
パラオは、世界中のダイバーが集まるダイビング王国です。サンゴ礁の隆起によってつくられた世界遺産「ロックアイランド」など、有名なダイビングスポットが数多くあります。
パラオの海は、透明度が非常に高く、浅い水深でも大物と出会えるのが魅力です。そのため、体験ダイビングでも、たくさんの生き物を見ることができます。
海外のダイビングツアーに参加できるのか心配する方も多いと思いますが、パラオには、日本人が運営しているダイビングショップが数多くあります。すべて日本語で対応してくれるので、安心してダイビングを楽しめます。
そのほかのおすすめスポットは「国内・海外のおすすめダイビングスポット39選|ダイバーなら一度は潜りたい世界の絶景」で紹介しています。ぜひ、参考にしてくださいね。
ダイビングをする際の5つの注意事項
ここでは、ダイビングを楽しむ前に、確認しておきたい注意事項をまとめています。注意事項をチェックしてからダイビングの計画を立てましょう。
1.持病がある場合は医師に相談しよう
持病がある場合は、ダイビングを禁止されることがあります。たとえば、下記の症状があると、ダイビングツアーに参加できません。
- 妊娠
- てんかん
- 喘息
- 肺気腫
- 糖尿病
また、下記の症状がある場合は、医師の許可がおりればダイビングできます。
- 高血圧
- 低血圧
- 狭心症
- 難聴
そのほか、呼吸器・循環器系の疾患がある方、精神安定剤などを服用している方、花粉症や鼻炎などがある方は、医師に相談してダイビング可能か確認しましょう。
2.ダイビング直後は飛行機に乗れない
ダイビング直後に飛行機に乗ると「減圧症」になるリスクが高まるので、18〜24時間あけてから飛行機に乗りましょう。
減圧症はダイバーがなりやすい病気で、潜水病とも呼ばれています。症状は、めまい、頭痛、しびれや麻痺、呼吸・発話困難など、脳卒中の症状に似ているのが特徴です。重症になると意識不明、死に至ります。
減圧症は「窒素」が主な原因です。水圧のかかった状態でタンクから空気を吸うと、体内に窒素がたまり、ダイビング直後は、血液中や組織内に気泡が生じている状態です。その状態で飛行機に乗ると、気泡が膨張して組織を傷つけ、減圧症の症状が現れます。
窒素は、18〜24時間たてば自然と体外に排出されるので、飛行機に乗るタイミングだけ考慮しましょう。余裕のあるスケジュールを立てることが大切です。
海外でのダイビングを検討している方は、アクセスしやすく、時差がない国をおすすめします。たとえば、パラオは、直行便であれば4時間ほどで到着し、日本との時差もありません。ダイビングの計画を立てやすい国を選ぶと良いでしょう。
3.ダイビング前後の飲酒はNG
ダイビング前後は、お酒を飲みすぎないよう気をつけましょう。
朝までお酒を飲んだり、二日酔いのままダイビングしたりすると、水圧の影響で体内のアルコール濃度が上昇する可能性があります。また、減圧症のリスクを高めるので、ダイビング前後の飲酒は控えるようにしてください。
飲酒による脱水症状も、減圧症の危険性が高くなるので、水分補給をしっかりと行うようにしましょう。特に、初めてダイビングをする方は、飲酒や夜更かしを避け、規則正しい生活を送るようにしてください。
4.風邪をひいたらダイビングは控えよう
風邪をひくと、ダイビングツアーに参加できない場合があります。
理由としては、耳管が炎症し、耳抜きしにくくなるため。耳抜きがうまくできないと、耳が痛くなるだけでなく、鼓膜が破れたり、海中で失神してしまったりすることがあります。
特に鼻が詰まっていたり、咳が止まらなかったりする場合は、注意が必要です。死亡事故に繋がるので、ダイビング前は、風邪をひかないように気をつけましょう。
また、ダイビングの耳抜きについては「初心者ダイバー必見!耳抜きのコツやメカニズムを徹底解説」に詳しくまとめています。ぜひ、参考にしてくださいね。
5.視力が悪い人は度入りマスク(水中メガネ)を選ぼう
視力が悪く、メガネやコンタクトレンズを使用している方は、度入りのマスク(水中メガネ)を選びましょう。
コンタクトレンズで潜ることもできますが、海の中で目が痛くなったり、コンタクトが外れたりすると、初心者はパニックに陥ることがあります。怪我や事故に繋がるので、初心者の方は度入りマスクを選ぶと安心です。
また、海の中は、陸上より1.25倍ほど大きく見えるので、多少目が悪い程度であれば、度なしのマスクで問題ありません。
まとめ|初心者は体験ダイビングから始めよう!
初心者の方は、ライセンス不要の「体験ダイビング」から始めましょう。
泳ぐのが苦手な方は、陸から海に入る「ビーチエントリー」。それ以外の方は、船に乗って海に入る「ボートエントリー」がおすすめです。
ダイビングは、初心者も気軽に参加できるアクティビティなので、ぜひ挑戦してくださいね。
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